更新日: 2024.05.28 21:30
誰もが望んだ再開……。ラーソン未出走、降雨コールドの“ダブル”はベルが勝者に/NASCAR第14戦
「正直に言うと、カイルのシートは僕がドライブするシートとは大きく異なる。でもクリフ・ダニエルズ(クルーチーフ)が僕をスピードに乗せるため素晴らしい仕事をしてくれ、必要な場所にクルマを移動させ、あとはバランスを取ることに集中できたんだ」とオルゲイアー。
「ラップダウンからの回復がおそらくこの夜のハイライトだった。ヘンドリック・モータースポーツのチームメイトを追い越せたこと、そしてフィールドで僕がとても尊敬しているタイ(・ギブス)をオーバーテイクできたことは、本当に本当に素晴らしかったし、レースの進め方を向上させるのに役立ったよ」
こうしてピンチヒッターが奮闘するさなか、現地21時30分ごろに5号車のピットに到着したラーソンは、ここからシボレーに乗り込む準備を始める。その直前、最終ステージ229周目のターン2で発生したコリー・ラジョイ(スパイア・モータースポーツ/シボレー・カマロ)のスピンによるコーションの後、最前列はベルとブラッド・ケセロウスキー(RFKレーシング/フォード・マスタング)による一騎打ちの様相となる。
続く236周目のリスタートではベルが勢いを増し、ケセロウスキーをみるみる引き離す展開となるが、シャーロット周辺は雨雲からの雷が予報され、NASCARはエリア警報に従って“落雷警戒”のコーションを発令。その直後にはオーバルに大雨が降り始め、ラーソンはダニエルズを交えオルゲイアーからマシンバランスの詳細伝達を受ける充分な機会を得ることになる。
しかし現地では雨が上がり落雷への警戒は解除されたものの、これまでの雨量と湿度の高さにより路面のドライアップはまるで機能せず。約2時間後には公式なレース終了が宣言され、再開のチャンスは永遠に失われることに。結果、レースハイの90周をリードしたステージ2ウイナーのベルが今季2勝目、シャーロット初制覇でキャリア通算8勝目を挙げた。
明けた月曜の朝、改めてラーソンは自身のSNSを通じてクルマをドライブする機会が得られなかった心境を綴った。