更新日: 2024.06.10 16:38
ホンダの元王者トニー・ダルベルトは惜敗。アウディの新鋭が3戦2勝と躍進/TCRオーストラリア第4戦
迎えたレース1で是が非でも今季2勝目が欲しかった元チャンピオンだったが、スタート直後の蹴り出しで力強さを見せたのはフロントロウ2番手に並んでいたプジョー308 TCRの方で、シビックは19周の決勝を通じて間違いなく最速車両だったにも関わらず、コックスにシーズン2勝目を奪われることに。さらにその背後では、グリッド降格ペナルティから這い上がったバカンの続くポディウムとなった。
「とにかくレース中はずっと全力で集中して走らなければならなかった」と明かした勝者コックス。
「トニー(・ダルベルト)に対抗できるクルマがあるとは思っていなかったが、レース運びがうまくいったね。GRMのスタッフは大きな努力をしてくれたし、プジョーにはスピードと信頼性が備わっていて、勝利という報いを受けることができたよ」
そのレース1でオリファントのヒョンデと熾烈な10位争いを制し、ポイント首位だったベン・バルグワナ(プジョー308 TCR/ハンチャ・レーシング)とスーターがリバースグリッドのフロントロウに並んだレース2は、直後の2周目にダルベルトやアーロン・キャメロン(プジョー308 TCR/チーム・バルボリンGRM)、クレイ・リチャーズ(クプラ・レオン・コンペティションTCR/カール・コックス・モータースポーツ・チームMPC)らが絡んでセーフティカー(SC)が出動する。
このリスタートでもバルグワナを制したスーターは、ブラッド・ハリス(FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR/エクスクルーシブ・スイッチボード・ウォール・レーシング)や連続表彰台のバカンを従え待望の今季初勝利を挙げ、ランキング首位浮上に成功。続く最終ヒートのレース3でも、早い段階でのSC介入にも集中を切らさず、バカンの終盤の猛攻をしのいでポイントのアドバンテージを拡大する連勝劇を飾ってみせた。
「レース1でクラッチに問題を抱えた後、今日のような結果になるとは思ってもみなかった」とアウディが問題に見舞われていたことも明かしたスーター。
「レース後にクラッチをもう一度繋いだところまた故障してしまったが(笑)、今夜はこの勝利を祝うだけだね!」
これで新鋭スーターが新たなシリーズリーダーに浮上したTCRオーストラリア・シリーズ。続く第5戦は7月12日~14日の週末にクイーンズランド・レースウェイで争われる。