だが、レース後の再車検にて、スチュワードはクプラ・ボーンのサポートアームブラケットが誤って取り付けられていることを発見し、ダールグレンに対し即座に準決勝、決勝での失格処分を言い渡した。
「僕が言えるのは、PWRの全員にとってこのような事態が起きたことは残念だということだけだ。残念ながら、ここでの主要因は人的要素だ。今は明日に集中したいだけさ」とダールグレン。
そのPWRレーシングのチームマネージャーを務めるマーカス・エクストロームも、この失格裁定を受け入れ「我々のミスだった」と説明した。
「後方のサポートアームを組み直す際、間違った位置に取り付けられた」と続けたエクストローム。
「サポートアームを取り付ける位置は3箇所あるが、中央にしか取り付けられないことが決定した。我々はこれを下側の位置に設定していたんだ。明らかに間違っていたし、我々はこれを受け入れる」
「これは我々の不注意によるものだ。ミスはいつだって起こりえるが、我々はチームとしてそれを行う。そして残念ながら、今回はロバートに当たってしまったということだ……」
明けた日曜は、そのダールグレンから勝利を譲られたエリクソンが、ニルソンのID.3をわずか0.028秒差で撃破し初ポールを獲得。しかし前日と同様に濡れたトラックは溜まった水量を排除するため決勝がディレイされると、こちらも土曜と同じ顔ぶれとなるダールグレンとエリクソンが決勝へと勝ち上がる。
ここでファイナル双方のヒートでそれぞれ1.4秒と0.131秒の差で勝利したダールグレンが、正真正銘リベンジを果たす電動STCC初優勝を飾ってみせた。
「今日はリベンジの日だと決めていたし、ヒートは2回ともうまく行ったね」と、喜びと同時に安堵の表情を浮かべたダールグレン。
「我々はつねに強くあるべく、ここまで積み上げていかなければならなかった。エンジニアが無線で静かにしているとき、ドライバーはそれが厳しい状況であることを知る。最後に回生ブレーキのバランスを調整をしたが、それが決め手になったようだ。この週末はジェットコースターのようだったね」
これで紆余曲折を経て無事に開幕戦を終えたSTCCは、従来のサーキットで開催される第2戦以降は通常のヒート制スプリントレースのフォーマットに戻り、次戦は6月28~29日にユンビヘッド・パークことユンビヘッド・モートルバナで開催される。


