続くレース1でもハーンに対してポールポジションのアドバンテージを保ったキスは、その後も完璧なレースを展開してライバルより7秒早くチェッカー。そして連勝の難しいリバースグリッド採用のレース2でも、前戦7位からフロントロウ発進を決めたシュテフィ・ハルム(チーム・シュバーベントラック/イベコ)が隊列を率いるなか、後方8番手スタートのキスが猛スパートを決め、2周目の終わりまでに4番手へと駆け上がる。
すぐさまパスしたサッシャ・レンツ(SLトラックスポーツ30/マン)を引き連れ、首位ハルムに迫ったキスに対し、彼女も数周チャンピオンの攻撃を食い止めることができたが、インサイドへ飛び込まれた瞬間に万事休す。早くも週末の勝利数を“2”として夜を越した。
明けた日曜もレベス・レーシングが走らせる真紅のマンの勢いは衰えず。各セクター最速でポールを奪ったキスは、典型的なスタイルとなったレース3でもハーンとレンツを従えて盤石の“ライト・トゥ・フラッグ”を達成。最終ヒートでは、前日同様レース3の7位からリバースグリッド最前列発進を決めたハルムに対し、スタート直後のターン1で3ポジションアップの離れ技を演じたキスは、アントニオ・アルバセテ(Tスポーツ・ベルナウ/マン)もねじ伏せオープニングラップの終わりまでに4番手へと浮上していく。
ここからハルムを含む上位集団は徹底したディフェンスラインで王者の行手を遮ろうと試行錯誤の策を繰り出すものの、前日レース2と同様の動きでインサイドからマーク・テイラー(テイラーズ・トラックスポーツ・レーシング/マン)を仕留めた瞬間、週末で4度目の総合優勝と2戦連続の“グランドスラム”成立となった。
破竹の快進撃を続けるディフェンディングチャンピオンの勢いはどこまで続くのか。続くFIA ETRCの2024年シーズン第3戦は、6月22日~23日にベルギーのゾルダーで争われる。


