続くヒスロップスへの降りでも並走しながらコンタクトを続けた2台は、イングラムが芝生エリアを滑走しながらもリードを死守し、サットンとその僚友ダン・カミッシュ(NAPAレーシングUK/フォード・フォーカスST)を従えポール・トゥ・ウインを飾ることに。これがイングラムにとって正真正銘、BTCCキャリア通算30勝目の節目となった。
続くレース2は、フィニッシュ後にも「近年で最も素晴らしいオープニングラップのひとつ」と称される快走が実現し、その主役を8番手発進だったサテライト・トヨタのクックが演じてみせる。
グリップに優れるグッドイヤーのソフトタイヤを履いたイエロー&グレーのカローラGRスポーツは、ターン1への進入でほぼ横に並んでいたアダム・モーガン(チームBMW/BMW 330e Mスポーツ)が姿勢を乱すなか、からくも接触を回避。これでBMWがトラック中央をほぼ塞ぐかたちとなり、後続がバッサリと分断されたことも功を奏し、直後のヘアピンで前方4台のアウトサイドを回ったクックが一気に首位イングラムの背後へと迫る。
そのままサイド・バイ・サイドに持ち込み、スタート/フィニッシュラインを前にトップ浮上を果たしたカローラは、その後は振り返ることなくチェッカーに向け快走。その背後ではイングラムとふたたび接触したサットンが右リヤのバンパーを破損してオレンジボール対応のためピットへ。2位イングラムに続き、終盤カミッシュを逆転したヒルが最後のポディウムをもぎ取った。
「ようやくレースに勝ててうれしい。自分がソフトタイヤを履き、周りがハードタイヤを履いていると、ずっと楽になるね」と、これがトヨタ陣営移籍後の初優勝となったクック。
「とても良いスタートが切れて1周目から周りのドアが開き、いいポジションにつけることができた。とにかく速くラップを走ることに集中したし、見ていてあまり面白くなかったかもしれないが、それでいい」
「タイヤを酷使しすぎないように注意し、セーフティカーが出た場合に備えて余裕を持っておくようにした。チーム全員におめでとうを言いたいし、僕ら全員が本当にこのような結果を必要としていたんだ」