その最初のリスタートでは、首位ハムリンの隣に並んだカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が暴れ、コースをはみ出してチャスティンと接触して仕切り直しに。続く2回目もラーソンがボトムに降りてマーティン・トゥルーエクスJr.(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)らとコンタクトして隊列が乱れると、ホワイトフラッグが振られる前に後続がバックストレッチで多重クラッシュを引き起こし再度のコーションに。
さらに3回目のリスタートでも蹴り出しが遅れたラーソンが起因となり、カイル・ブッシュ(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)らが追突してイエロー、アコーディオン効果で僚友エリオットらも巻き込まれる事態となる。
そして4回目のリスタートまでにジリジリとポジションを回復したロガーノは、ジョシュ・ベリー(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)のスピンによる中断を前に、ターン4まででチェイス・ブリスコ(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)をパスし、ホワイトフラッグ直前のコーションで首位に躍り出ると、この段階でJGR艦隊のハムリンとトゥルーエクスJr.は燃料給油のため無念のピットレーンへと向かう。
これでリードを引き継いだロガーノは、実に5回目となる最後のリスタートでもゼイン・スミス(スパイア・モータースポーツ/シボレー・カマロ)やタイラー・レディック(23XIレーシング/トヨタ・カムリXSE)らを抑え切り、キャリア通算33回目、待望の今季初勝利を手にした。
「最後は(ターン)3で燃料ランプが点灯し、エンジンが息継ぎしながらフィニッシュラインを越えた。間違いなくそれがすべてだった」と、延長331周となったレースで221周目にピットインを実施し、最後のタンクで110周を走破してみせた勝者ロガーノ。
これでプレーオフの当落線上カットラインを行き来していた自らの不遇を断ち切り、ポストシーズン進出を確定させ「このShell/Pennzoil Mustangのチームとクルーをとても誇りに思っている。プレーオフに進出するために数週間ストレスが溜まっていたが、ここで勝てたことはシーズンにとって大きなこと。勝てて最高だよ」と、2度のカップ王者は胸を撫で下ろすことに。
金曜に併催されたNASCARクラフツマン・トラック・シリーズ第13戦『ラックリー・ルーフィング200』は、圧倒的な強さを見せた23歳のクリスチャン・エッケス(マカナリー・ヒルゲマン・レーシング/シボレー・シルバラードRST)が、レース150周すべてを単独ドライバーがリードするというシリーズ12年ぶりの記録を樹立して勝利。
同じく土曜に併催されたNASCARエクスフィニティ・シリーズ第17戦『テネシー・ロッテリー250』では、蒸し暑い午後を乗り切ったジョン・ハンター・ネメチェク(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタGRスープラ)が今季2勝目を飾っている。



