「最高だ、最高のレースだったよ。最後はかなりワイルドだったが、このカウリグ・レーシングの皆には感謝してもし切れない」と、おなじみになったラグビーボールをスタンドに蹴り込むアクションで勝利を祝ったSVG。
「カイル(・ラーソン)とのレースは最初から素晴らしかった。(ステージ1終了後)お互いに親指を立てて手を振っていたのはクールだったね。本当に敬意を表しながらの“ビッグムーブ”だったし、彼はブレーキングとバンプの処理が抜群だった。僕は多くのことを学び、彼も僕から多くを学んだだろう。明日もまた彼とレースして勝利を収めたいね」
同じく、日曜はフロントロウ2番手のギブスと並んでポールポジションからスタートを切るラーソンも「とても楽しかった」とエクスフィニティでの勝負を振り返った。「もちろん今日は勝ちたかったが、何よりも学びたかった。彼はバトルのシェイプやアングルを作って追い抜くのが本当に上手だし、彼と戦いたかったんだ」と続けたラーソン。
「それが僕の目標で、初めてチャンスを得たとき、彼とレースできる機会がまたあるかどうかわからないし、これを逃せないと思ったんだ。1、2周は僕のクルマの方が彼より少し良かったようで、彼を抜いて守ることができたけど、彼の方が僕よりずっと上手だったよ」
迎えた日曜決勝は一転。スタートから雨混じりの天候で、各車ともウエットタイヤかスリック装着かの判断が分かれるなか、ワイパーを作動させながらの勝負でSVGがさすがのドライブを披露。ドライの前日に続きウエットのカップ戦でもステージ1を制していく。
この時点でNASCARの運営側は昨季の反省も踏まえ、雨の影響により75周レースの「最大延長は午後8時20分まで」と最初のステージブレイクを前に各チームに通達。すると雨脚が強まったステージ2再開の25周目に衝撃の光景が広がる。
再開直後のリスタート。タイヤ換装で5番手から再浮上を狙ったSVGの16号車だったが、激しいウォータースクリーンで視界不良のなか、ターン6へのブレーキングで車両の制御を失ったチェイス・ブリスコ(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)が、クルマを止め切れずにSVGのリヤに激突。アウト側のウォールにヒットした16号車はここで再起不能となり、前年度ウイナーがこの日のリタイア第1号となってしまう。
「ただターンインしただけ。かなり調子が良さそうだったのに、誰か(ブリスコ)に押し出されてしまった」と、ケアセンターを離れた後に応じたSVG。
「本当に残念だ。クルマの感触は良くレースの大部分でリードしていたし、雨のなかでのスタートも気持ちよかった。彼の不運なミスだが、本気でそうしたワケじゃない。こんなに早くリタイアしたのは残念だし、最後にちゃんとトライできなかったのも残念だ」



