その隣、フロントロウに並んだのはここクロフトを地元とするダン・カミッシュ(NAPAレーシングUK/フォード・フォーカスST)で、このレースウイークを前に所属先のアライアンス・レーシングとの複数年契約更新を発表した35歳は、ホームアドバンテージを活かして予選セッション終盤に競争力のあるラップを刻んだ。
「本当にうれしい。ここで予選2番手になる……と事前に言われても信じなかっただろうね(笑)」と、上機嫌のカミッシュ。
「昨年はここでポールポジションを獲得するなど強さを発揮したが、今季もここ数ラウンド、本当に重要なときにピークに達するという良い習慣が身についており、それをとても誇りに思っている。いい一日だったね」
迎えたレース1は比較的穏やかな展開となり、シグナル消灯とともにポールシッターが優位を維持してレースを支配。その背後では最前列発進のカミッシュがシケインをオーバーシュートしたことで、2列目にいたイングラムがタワー・ベンドでポジションアップに成功。ライト・トゥ・フラッグで自身通算70勝目を決めたターキントン以下、イングラム、カミッシュの表彰台となった。
このヒートでハードコンパウンドのタイヤをチョイスし、残るレースではソフト側の装着でアドバンテージを得ることになったのが7位、8位に入っていたトヨタ陣営で、続くレース2ではカラーリングの異なるハフとクックの2台が次々と上位勢を攻略していく快心のドライブを披露する。
前戦オールトンパークでも、グリッド8番手発進からオープニングラップで“7台抜き”の離れ業を演じていたクックは、残りわずかの周で首位のハフをロックオンすると、クロフト名物ジム・クラーク・エッセで華麗なオーバーテイクを敢行。同じくソフトタイヤを履いていたダニエル・ロウボトム(NAPAレーシングUK/フォード・フォーカスST)を3位に従え、クックがラウンドを跨いでの連勝を記録した。


