更新日: 2024.07.31 18:04
父ルーベンスの得意トラックで愛息ドゥドゥがスプリント初制覇。本戦は2冠王者が完勝/SCB第6戦
そのオープニングラップでフロントロウに並ぶカンポスを抑えた“ドゥドゥ”は、3番手のリカルド・ゾンタ(RCMモータースポーツ/トヨタ・カローラ)以下、4番手ネルソン・ピケJr.(カバレイロ・スポーツ/シボレー・クルーズ)や、5番手の父ルーベンスの動向やラップペースも意識しながら、セオリー通りのタイミングで義務ピットを消化していく。
ここを無難に処理したサンパウロ出身の22歳は、アンダーカットを狙って作業タイミングをずらしたクルマからもポジションを取り戻し、今季2勝目、シリーズ通算3勝目を達成した。
「信じられない! 僕もゴイアニアが大好きだが、父はゴイアニアの住民のようなもので、このトラックの『キング』でもある。いつか彼の数字に近づけることを願っていたが、まさかここで初勝利を飾れるなんて……」と、完璧なパフォーマンスで父親の記録に続いたエドゥアルド。
「父は僕に(サーキットについて)何のアドバイスもくれなかったが、僕をここまで育ててくれた。だから、ここで得たものは基本的には彼にとっても間接的な勝利だ。なぜなら僕が知っていることは、すべて彼のおかげだから」
そして日曜14時に始まった50分+1周のメインレースは、前日よりさらに温度が上昇する条件のなか、ポールシッターのカサグランデが序盤からマッサとの激しい一騎打ちを繰り広げる。
その間、カカ・ブエノ(KTFスポーツ/シボレー・クルーズ)とガエターノ・ディ・マウロ(カバレイロ・スポーツ/シボレー・クルーズ)にインシデントが発生し、さらにリカルド・マウリシオ(ユーロファーマRC/シボレー・クルーズ)がクルマを止めたことなどから、2度のセーフティカー(SC)が導入される一幕もありつつ、義務ピット後はマッサが首位浮上に成功し隊列を率いる。
ここから前日の宣言どおり、勝利を目指しマッサとのホイール・トゥ・ホイールの勝負を仕掛けたカサグランデは、元F1ドライバーに対して美しいオーバーテイクを決めてトップを奪還。直後に発動した3度目のSCにも動じず、リスタート後もマッサとセラを従えてトップチェッカーを受けた。
「素晴らしいタイミングで勝利が得られた」と勝者カサグランデが振り返れば、惜敗ながら週末の最多得点者として“マン・オブ・ザ・レース”のトロフィーを獲得した2位マッサも「ここでの仕事は完璧だった」と、一定の成果を強調した。
「表彰台を獲得し、完璧で効率的な週末になったね。カサグランデは前半後半の両スティントとも僕よりわずかに速く、危険を冒したくなかったんだ。僕らはこの結果がチャンピオンシップの終わりにとって重要があることを知っているし、ここゴイアニアで達成できたことに満足している」と、新たな選手権首位カンポスと、同2位のゾンタに続き、ランキング3位に浮上したマッサ。
続いて『BH Stock Festival(BHストック・フェスティバル)』と銘打たれた2024年SCBシーズン第7戦は、ブラジル南東部ミナスジェライスの州都ベロオリゾンテにて、8月16~18日の週末に象徴的なミネイロン・スタジアムの周囲に建設されたストリートサーキットでの初開催イベントが控えている。