「6秒差で走っていれば、いつだって簡単に見える。でも本当は難しい状況なんだ。ただ今回は、背後で2位争いが繰り広げられているのを見て、遠くまで突き進むことに集中した。ここで表彰台の一番上に立ててうれしいよ」と見事なパフォーマンスで今季4勝目を飾ったターキントン。

 続くレース2では陣営内のタイトル候補が前戦勝者のデータも活用。グリッド5番手からスタートを切ったヒルは、ソフトタイヤに換装したアクアブルーのBMW 330e Mスポーツを華麗に操ると、序盤のうちにオーバーテイクショーを連発。エースのターキントンも仕留めて6勝目を挙げ、この時点で選手権首位に返り咲いた。

「まずは自分の仕事が完遂できたね」と安堵の表情を浮かべたヒル。

「レース1でミディアムを履いたマシンの素晴らしさに感銘を受けたが、ソフトに履き替えたレース2は、まさに飛ぶようなフィーリングだった。チームの全員に感謝したい。彼らは僕に無敵のBMWを与えてくれたんだ」

 迎えた最終レース3は恒例のリバースグリッドとなり、ここで最上位を得たハフのカローラが隊列を牽引する。前戦クロフトでは僚友クックとの激しいデッドヒートの末で2位に甘んじていた元世界王者は、今回も背後のイングラムによる猛烈なプレッシャーに耐え続ける展開に。

 何度もホイール・トゥ・ホイールで軽いコンタクトを繰り返す好バトルを繰り広げるなか、今回はクックとヒルが接触したことでシケインのタイヤスタックが吹き飛び、その回収でセーフティカーが出動する。しかしリスタートでもポジションを堅守したハフが、イングラム、トム・チルトン(ブリストル・ストリート・モータース・ウィズ・エクセラー8/ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス)のヒョンデ艦隊を抑え切ってチェッカー。待望のシリーズ復帰2勝目を獲得した。

「厳しかったよ。これほど緊迫したレースは他にないし、BTCCならではだ。まさにツーリングカーレースだね」と続けた2012年のWTCC世界ツーリングカー選手権チャンピオンのハフ。

「リスタートではトム(・イングラム)に対し、少し不意を突けたと思う。ハイブリッドを賢く使って、最後まで充分に力を発揮できるようにしたんだ。夏休み以降、マシンは確実にパワーアップし、スタッフは素晴らしい仕事をしてくれた。全員が望んでいたトップクラスに戻してくれたことに感謝している」

 この2位表彰台でイングラムがポイントリーダーの座を奪還し、いよいよ終盤戦に突入するBTCCの2024年シーズン。続く第8戦は8月23~25日の週末にドニントンパークのGPレイアウトで争われる。

文字どおり「飛ぶような速さ」を披露したジェイク・ヒル(レーザー・ツールズ・レーシング・ウィズ・MBモータースポーツ/BMW 330e Mスポーツ)
「彼らは僕に無敵のBMWを与えてくれたんだ」と語ったジェイク・ヒルが、レース2時点で選手権首位に返り咲く
レース3では、ロブ・ハフ(TOYOTA GAZOO Racing UK/トヨタ・カローラGRスポーツ)がリスタートにも動じずトム・イングラム(ブリストル・ストリート・モータース・ウィズ・エクセラー8/ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス)を封じる
「厳しかったよ。これほど緊迫したレースは他にないし、BTCCならではだ。まさにツーリングカーレースだね」と歓喜の輪を楽しんだロブ・ハフ

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