ロガーノの隣に並びアウトサイドから最後のリスタートに挑んだスアレスは、背後のチャスティンからプッシュを受ける。一方、ボトム側のペンスキー艦隊は一糸乱れぬ隊列を維持してホワイトフラッグに突入。この瞬間、ターン3でわずかにウォールにタッチしたチャスティンが失速したことで勝負は決し、99号車カマロZL1の後方からチームメイトが姿を消したことで「厳しい勝負になると覚悟した」スアレスは、最後のひと伸びが足りず惜敗の2位フィニッシュとなった。
「いや、絶対に満足していない。満足だが、満足できない」と、チェッカー直後に複雑な胸中を語ったスアレス。
「プッシャーであるチームメイトを失った。彼(チャスティン)は素晴らしい仕事をしていたし、僕らにはいいチャンスがあると感じていた。タイヤがパンクしたか何かわからないが、彼を見失った瞬間、厳しい戦いになるだろうと分かった。でも、それがレースの一部だよね?」
一方、集団後方ではデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)やハリソン・バートン(ウッドブラザーズ・レーシング/フォード・マスタング)らを巻き込むマルチタングルが発生するなか、トップチェッカーを受けたロガーノは規定周回数260周を6周ほど超過した勝負でアトランタ通算2勝目を飾り、プレーオフ順位でも5番手に浮上した。
「ペンスキーはいつだってSSWで速いクルマを提供してくれる。最終的にクラッシュしてしまうことの方が多かったが(笑)、ようやく速いレースカーをうまく利用して、ここアトランタでふたたび勝つことができた」と満足げな2022年王者のロガーノ。
「僕は長いあいだ、すぐそばのコンドミニアムで805号室に住んでいた。このトラックでレースをすることを夢見ていたんだ。だから、ここでヴィクトリーレーンに入るのはいつも特別なことさ。今日は本当に良いチームがここにいたし、ついにJL Kids Crew(JLキッズ・クルー/ロガーノの慈善事業のひとつ)とここで一緒に優勝できて本当にうれしいよ!」
併催されたNASCARエクスフィニティ・シリーズ第24戦『Focused Health 250(フォーカスド・ヘルス250)』は、ジョージア州ウィンストン出身のオースティン・ヒル(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)が今季3勝目で年間のアトランタ双方を制すなど、こちらもSSWでの強さを披露している。


