更新日: 2024.09.17 15:13
豪州王者SVGわずかに及ばず。最終周の大逆転劇でクリス・ブッシャーが勝利/NASCAR第28戦
迎えた決勝はオープニングから16名のプレーオフドライバーに試練を課す展開となり、スタート時点でポイントランキングで首位に立っていた王者ライアン・ブレイニー(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)は、名物“Bus Stop(バスストップ)”のシケインで、同じくプレーオフ登録のデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)や、その僚友クリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)、ブラッド・ケセロウスキー(RFKレーシング/フォード・マスタング)らを含む6台のマルチタングルに巻き込まれ、早くも1周目にレースから脱落。
ここでカイル・ブッシュ(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)とともにダメージを負ったハムリンも、ふたたびレース中盤にはケセロウスキーとカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)の“3ワイド”のリスタートを強いられ、名物“Esses(エッセ)”で充分なスペースが得られず再度のダメージを喫してしまう。
そのステージ1を制覇したのはフロントロウ2番手発進を決めていたマーティン・トゥルーエクスJr.(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)だったが、そこへ僚友ダニエル・スアレス(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)を起因としたアンダーイエローの状況ながら、ステージ2をワン・ツーで制覇したポールシッターのチャスティンとSVGのトラックハウス艦隊が立ちはだかる構図となる。
ここへ残り20周を切ってブッシャーのマスタング“ダークホース”も加わると、左リヤをバーストさせたバートンのデブリでコーションが発動。勝負は残り7周で仕切り直しのリスタートを迎える。
隊列を率いたブッシャーにSVGが3番手で追い縋るなか、後方ではRFKのケセロウスキーがウイリアム・バイロン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)と絡んで両者マシンが大破。この日、再三のアクシデントに遭遇したヘンドリック艦隊は、歴史あるグレンで続けてきた5連勝の記録に終止符を打つこととなる。
残り3周。このリスタートではレディックの23号車カムリXSEと8号車カマロZL1のブッシュが絡んでふたたびイエロー。さらに背後ではラーソンを起因として3台が絡んだアクシデントの余波で、2017年王者トゥルーエクスJr.もダメージを負い、ハンドリングが大きく狂うこととなる。
「カムリは安定していたと思う。ロングランではもっと良くなる必要があったが、懸命に努力して粘り強く走り、まずまずの一日だった。でもいつものように最後にコーションが出て、他のドライバーに追い抜かれてしまった」と、引退の期限が刻々と迫るトゥルーエクスJr.
「レースがいつもこうなるなんておかしい。最後にリスタートで他のドライバーのすべてを破壊してしまう者たちが、どうして自分たちを『世界一』だと言えるのか、私には理解できない」とフラストレーションを隠さない。「とてもイライラしている。今はそれが現実だ」
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