パワーが消えて優勝争いはジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)とディクソンの一騎打ちになった。予選はファイナルに進めずの7番手だったニューガーデンだが、2年前にキャリア初勝利を飾ったコースで彼はイキイキとした走りを見せ、最初のピットストップを終えた時点で優勝争いに食い込むことに成功した。
最後のピットストップでディクソンの先行を許した時には、3位フィニッシュを受け入れるしかないと思われた。しかし、ディクソンがラインを外れるミスを見逃さずにパスし返すと、そこからはプッシュ・トゥ・パスを乱用してポジションをキープ。
燃費が心配される展開ともなったが、2番手を守り、パワーが目の前からピットロードへ向かうとトップに躍り出た。
その後はディクソンのアタックが続いた。燃費に余裕があるのか、プッシュ・トゥ・パスを何周も続けて使いトップを狙ったディクソンだったが、ニューガーデンはそれらを跳ね返し続けた。
そして最終ラップにはプッシュ・トゥ・パスを使って逆にリードを広げ、1秒の差をつけてゴールへと飛び込んだ。

「優勝できて嬉しい。クルーはハードワークを続け、4台のチームワークも素晴らしい。シボレーエンジンの燃費も良かった。ウィルと僕、そしてディクソンの3人で激しい優勝争いがゴールまで続くと考えていたが、突然僕とディクソンだけによる戦いに変わった」
「今日は何もかもが僕たちにとってうまくいき、勝利を掴んだ。この勢いを保って今後のレースを戦っていきたい」とニューガーデンは語った。
3位はシモン・パジェノー。4位はエリオ・カストロネベス。不運に見舞われたパワー以外はペンスキーの3人がトップ5に食い込んだ。
佐藤琢磨は予選14番手から9位でフィニッシュした。ラップタイムがよくない中、しぶとい走りを続けてトップ10入り。開幕戦の5位に続き、早くも2回目のトップ10フィニッシュだ。
「スタートで 2台をパスした後、ペースが上がらず苦しい戦いになっていました。ブレーキにトラブルが出ていたからでした。マシンのセッティングはピットストップでのウイングのアジャストなどでよくしていくことができていました」
「しかし、僕らのロードコース用セッティングは完全じゃなかったとも思います。そうしたレースで9位を拾えたのは大きいですね。ポイントを稼げました」と琢磨は話した。