カップ史上「最大のクラッシュ」発生で27台が脱落、ステンハウスJr.が復活の3ワイド勝利/NASCAR第31戦
さらにレギュラーシーズン王者のタイラー・レディック(23XIレーシング/トヨタ・カムリXSE)や、アレックス・ボウマン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)、そしてタラデガを得意とする優勝候補常連のチェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)らもこの事故で影響を受け、グラスエリアに留まった複数台のクルマへの対応でもNASCARの審判団に批判が集まることに。
本来、車両に装備される“エアリフト”のシステムを使用しても自走不可の場合、そこでレースは終了となる規則を繰り返し適用してきた。しかし今回は、うち数台がレッカーで搬送され、10分間の赤旗中断からイエロー、ペースカー先導に変化する過程で簡易的な修復を終えたドライバーが復帰する事例が発生。規則運用の一貫性と、不公平さを指摘されることとなった。
そしてレースは残り2周、最後の延長戦ではプレーオフ出場資格のない36歳のステンハウスJr.が195周中19周をリードしたスピードで意地を見せ、ケセロウスキーとバイロンを従え自身も「アンダードッグの役割が肌に合う」という65戦ぶりのトロフィーを掲げてみせた。
「本当に気分がよかった」とプレーオフ5戦中3人目の“スポイラー”となったステンハウスJr. 「後ろにはシボレーのチームメイト(24号車のバイロン)がいて、カイル(・ラーソン/4位)が6号車(ケセロウスキー)をそこまで追い詰めないことを願っていた。それに24号車がゴールラインにたどり着こうとするのは分かっていた」
「このチームは一生懸命頑張ってきたが、2023年のデイトナ500以来勝てていなかった。ここまで浮き沈みの激しいシーズンだったが、このトラックは我々のものだということは分かっていたさ」と、2017年のここタラデガでカップ初優勝を飾っているステンハウスJr.。
併催となったNASCARクラフツマン・トラック・シリーズの第20戦『ラブズRVストップ225』は、地元の声援を集めたグラント・エンフィンガー(CR7モータースポーツ/シボレー・シルバラードRST)が、来月のチャンピオンシップ最終戦への自動出場権を獲得。
同じく併催のNASCARエクスフィニティ・シリーズ第28戦『ユナイテッド・レンタルズ250』は、延長戦の末に逆転劇を演じたサミー・スミス(JRモータースポーツ/シボレー・カマロ)が、唯一のリードラップをモノにしてプレーオフの次のラウンドへの出場権を手にしている。