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投稿日: 2024.10.09 17:40
更新日: 2024.10.09 15:59

FF対FRの同点最終戦は、劇的な1点差の雨天決着でBMWのヒルが初戴冠/BTCC最終戦


海外レース他 | FF対FRの同点最終戦は、劇的な1点差の雨天決着でBMWのヒルが初戴冠/BTCC最終戦

 一方のイングラムは、共通ハイブリッドの展開時間がわずか1秒だったにも関わらず、最高のラップを披露してフロントロウを確保。対して「Q2とQ3の間にハンドリングが変調した」というヒルは3列目6番手に留まることに。

 そして“Quick Six(クイックシックス)”のシュートアウトまで圧倒的な強さを見せていた、もうひとりの主役でもある王者アシュリー・サットン(NAPAレーシングUK/フォード・フォーカスST)は、ポールポジション獲得に向け順調に進んでいたラップで『トラックリミット違反』を取られ最速ラップが剥奪。それでも終盤に巻き返し、なんとか2列目3番手に飛び込んでみせた。

 しかし迎えたレース1のオープニングラップでは、この予選でのポジション挽回が仇となる展開が待ち受けており、イングラムとサットン、そして4番手発進だったジョシュ・クック(LKQユーロカーパーツ・ウィズ・シネティック/トヨタ・カローラGRスポーツ)がドルイドへの進入で接触。

 クックがブレーキトラブルに見舞われ、インサイドから2台に向け突進したことでサットンはグラベルでレースを終え、クックも僚友の元世界王者ロブ・ハフ(TOYOTA GAZOO Racing UK/トヨタ・カローラGRスポーツ)を巻き込む結果となり、最後はピットレーンに戻ってリタイアを喫するドラマチックな展開となる。

 なんとかその場を生き残ったイングラムも、短いセーフティカー(SC)期間が開けるとターキントンがヒルをリードし、イングラムは9番手からの巻き返しを強いられる。

 ここで恒例のスパートを披露したヒョンデに対し、すぐにチームプレーを展開してヒルに主導権を握らせたWSR陣営は、3番手まで浮上してきたイングラムをターキントンが完璧に封じ込んでみせ、まずはヒルが今季8勝目を飾った。この結果により、残り2レースでタイトルに挑戦できるのはヒルとイングラムのみに絞られる。

 この惜敗に奮起したイングラムは、続くレース2で3番手からスタートを決めると、後半セクターまでにターキントンを制して2番手へ。そのまま2周目のパドックヒル・ベンドでレーザー・ツールズBMWのインにダイブし、そこからレースをコントロール。猛烈な勢いで今季6度目の優勝を果たし、これでヒルとの差を1ポイントとしてみせた。

 残るは2024年最後のレース……というこの段階で、上空からは場面を転換させるような雨粒が落ち始め、路面は瞬く間にウエットへ。リバース6番グリッド発進となったヒルは、さらに後方9番手から出たイングラムに一時は先行を許したが、レースのハーフディスタンスを前にイングラムを抜き去り、そのまま上位へと進出。終盤にはクックのカローラを仕留め2番手にまで進出する。

FF対FRの同点最終戦は、劇的な1点差の雨天決着でBMWのジェイク・ヒルが初戴冠/BTCC最終戦
チームの“絶対エース”であるターキントンに主導権を譲られたヒルがレース1を制覇
FF対FRの同点最終戦は、劇的な1点差の雨天決着でBMWのジェイク・ヒルが初戴冠/BTCC最終戦
この結果により、残り2レースでタイトルに挑戦できるのはヒルとイングラムのみに絞られる
FF対FRの同点最終戦は、劇的な1点差の雨天決着でBMWのジェイク・ヒルが初戴冠/BTCC最終戦
レース2ではフロントロウ発進だったBMW艦隊を撃破し、ヒョンデが勝利。これで1勝1敗の1点差に詰め寄る

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