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投稿日: 2024.10.10 17:52
更新日: 2024.10.10 17:53

ロッシ×ロペス組カローラは惜敗、北米“インディカー帰り”のカナピノ組シボレーが勝利/TC2000第9戦


海外レース他 | ロッシ×ロペス組カローラは惜敗、北米“インディカー帰り”のカナピノ組シボレーが勝利/TC2000第9戦

 そのまま土曜午後14時を回って7周の勝負が実施されたゲスト向けスプリントでは、そんなルノーの牙城を切り崩そうと2016年と2021年のシリーズチャンピオンでもあるカナピノが奮起。傷心のなか北米トップフォーミュラのシートを追われた南米随一のハコ使いのひとりが、スタートで素晴らしいダッシュを披露し、83号車ルノー・フルーエンスGTのマルコス・シーベルトを圧倒。

 最終的に2位に浮上した元WTCC王者ロペスのカローラも抑え切り、実に888日ぶりにこのカテゴリーで勝利を収めることに。シボレー・ブランドとしては、昨季大会のリカルド・マウリシオ(ユーロファーマRC)に続く連覇となった。

 その勢いはドライバー交代の義務付けられた日曜の200km戦でも衰えず、スターターを務めたフィネンチがロペスを従えて首位に躍り出る。そのまま24周目にドライバー交代のためピットインするまで後続との差を維持した“ピンクリボン”カラーの36号車は、シートベルト装着に手間取ったせいで遅れたにも関わらず、後半スティントのカナピノが粘りのドライブを続けていく。

 同じく交代を終えたロッシが、今季よりレギュラーシートに復帰した117号車でトップチェッカーを目指していた終盤戦に、レースの流れを変えるセーフティカーが発動。そのリスタートで狙っていた背後の36号車YPFクルーズは、ターン9のアウト側から豪快にカローラをオーバーテイク。

 これで55周を走破したカナピノ/フィネンチ組が同大会6連覇を続けていたルノーの記録を止める勝利をもたらし、フィネンチにとっては通算6勝目、そしてカナピノは29勝目を飾る結果となった。

「YPFエライオン・オーロ・プロ・レーシングのチーム全員にダミアン、そして僕を信頼してくれた皆さんに感謝したい。この瞬間、父のことをたくさん思い出している」と、感極まった状態で感謝の言葉を絞り出したカナピノ。

「今年は僕にとって非常に厳しい年だった。不特定多数の彼らは、僕にとてもひどい時間を与えた。そして今回のこと……ブエノスアイレス200kmでの勝利は、非常に大きな回復の助けになるよ」

 惜敗の2位となったロッシ/ロペス組の背後には、ピットウインドウが開く直前にタイヤトラブルを抱えながら、なんとかポジションを回復したペーニャ/モスカルディーニ組のルノーが続き、これで3メーカーがポディウムを分け合うことに。

 その6名中5名がチャンピオン獲得経験者という豪華な顔ぶれとなり、前述のカナピノに続きロッシは2006年、2007年、2011年、2013年、2020年、ロペスが2008年、2009年、2012年、歴代最高齢記録を更新するペーニャは2019年、2022年、2023年に、そしてモスカルディーニは2019年にアルゼンチンの旧TC2000シリーズのチャンピオンを獲得している。

 さらに同じく、この5名が「ブエノスアイレス200kmで勝つことの意味が何なのかを知っている」ドライバーとなり、ペーニャが4勝(2019年、2021年、2022年、2023年)でトップ、これにロッシ(2006年、2015年)の2勝、カナピノ(2016年、2024年)、フィネンチ(2019年と2024年)が続き、ロペス(2008年)も1勝を挙げている。

ロッシ×ロペス組カローラは惜敗、北米“インディカー帰り”のカナピノ組シボレーが勝利/TC2000第9戦
予選最速の王者リオネル・ペーニャ組(ルノー・フルーエンスGT)は、タイヤトラブルで3位に終わる
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「チーム全員にダミアン、そして僕を信頼してくれた皆さんに感謝したい」とカナピノ
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サッシャ・フェネストラズ組の25号車はスプリント、メインともに5位となった
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表彰台の6名のうち5名がチャンピオン獲得経験者という豪華な顔ぶれに


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