更新日: 2024.10.16 12:31
まさに急転直下の決着。圧勝ラーソンの背後でボウマン失格、ロガーノが滑り込み進出へ/NASCAR第32戦
「基本的に、タートルにぶつかるとラップごとに脳震盪を起こしているような気分になる」と明かしたマーティン・トゥルーエクスJr.(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)。「コーナーの攻略を考えるよりも、あまり楽しいことではなかったよね」。同じく元僚友カイル・ブッシュ(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)も「誰かが言ってくれてうれしい。痛かった」と、その意見に同調する。
こうした措置によりイチ早くトラック攻略に成功したのは、レギュラー陣を差し置いた“ルーキー”のシェーン-ヴァン・ギズバーゲン(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)で、FPでの最速発進に続き予選でも自身カップ初のポールウイナーを射止めるなど、来季フル参戦に向け弾みをつける結果を得た。
「週末の良いスタートだ。(今季レギュラー参戦するエクスフィニティ・シリーズを含め)週末のカマロはとても速いね」と手応えを語った“SVG”だが、その心は同週末に南半球で開催された世界的“祭典”にも飛んでいるようだった。
「今季初めて(出身カテゴリーである豪州大陸最高峰のRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップの)『バサースト1000』のFP1に、自分のいない状態でV8スーパーカーが走り出すのを見て、とても奇妙な感覚に襲われた。素晴らしいイベント、最高のトラックだし、皆が素晴らしいレースウイークを体験できることを願っている」
決勝スタートからホールショットを決め、順当にリードを維持したSVGは、ステージ1終了を目前にラーソンとともにレギュラーピットを済ませると、ここでトップの座を引き継いだレディックがステージポイントの10点と、25周目にプレーオフポイントを追加で獲得していく。
しかしブレイク中の作業で30周目のリスタートで渋滞に巻き込まれたレギュラーチャンピオンの45号車カムリXSEは、新たに再設計されたターン7のヘアピンで災難に巻き込まれる。
オースティン・ディロン(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)を起因に大混乱に陥った隊列内で、縁石を飛び越えたレディックは“チームオーナー”でもあるデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)に激突。45号車はダメージを負い、残り時間を通してピットストップを何度も繰り返し、左後輪のトーリンク修復を含む長期滞在を強いられる。
「あぁ。ひっくり返ると思ったけど、19号車(トゥルーエクスJr.)の背後にいて、インサイドに動こうとしていたんだ」とアクシデントを振り返ったレディック。「彼をクリアすることができたが、目の前で3号車(ディロン)がスピンして連なっている全員が停止するのが見えた。もちろん、自分とボス(ハムリン)も一緒にいた。冗談でなく“前転”しそうだった。マシンは完全に破壊されたよ」