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投稿日: 2024.10.25 11:40
更新日: 2024.10.25 10:35

急きょ実戦投入となった新型『プジョー308 P51 TCR』がデビューウインを達成/TCR豪州第6戦


海外レース他 | 急きょ実戦投入となった新型『プジョー308 P51 TCR』がデビューウインを達成/TCR豪州第6戦

 一方のコックスは、そのシェイクダウン時に新型モデルの初試乗を済ませたばかりの状況で実戦を迎える。

「安定した良いパフォーマンスを期待しているが、このクルマはまだ初期段階だから、最大限に活用できると考えるのは愚かだ」と続けたコックス。

「書類上では、このP51のスペックは前世代よりもはるかに優れている。少なくとも表彰台を争い、最終戦バサーストに向け何かを積み上げていきたいと思っている」

「でもクルマのセットアップに対する素性とドライバビリティは、本当は違いに気づくべき異なる領域だ。GRMは先代のクルマをパフォーマンスの上限までチューニングする素晴らしい仕事をしてくれたが、その過程で僕たちはそのモデルの限界も学んだんだ」

「新しいクルマを作ることの贅沢さと優位性は、何を改善する必要があるかを知ることにある。チームはすでにそれをうまくやっているように見えるね。それがコース上でどのように反映されるかは、すぐにわかるはずさ!」

 そう語ったコックスとバルグワナは、予選こそQ2進出を逃して9番手、10番手に留まり、ここでポールポジションを射止めた王者ジョシュ・バカン(ヒョンデ・エラントラN TCR/HMOカスタマーレーシング)がレース1を制したが、続くレース2はリバースグリッドの好機を捉え逆襲に転じることに。

 首位発進から遅れたグレン・ニルワン(アウディ・RS3 LMS 2/BRMモータースポーツ)に対し、背後から出たバルグワナがコックスを抜いてトップに立つ。そんな新型同士の首位攻防に対し、初戦をエンジントラブルで失っていた旧型モデルのキャメロンが、最後尾からロケットのような勢いで浮上し、いきなり4番手まで躍進してくる。

 するとこのオープニングラップでは選手権首位のザック・スーター(アウディRS3 LMS 2/タフリフト・レーシング)がブラッド・ハリス(FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR/エクスクルーシブ・スイッチボード・ウォール・レーシング)と絡み、その余波で元王者トニー・ダルベルト(FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR/ホンダ・レーシング・チーム・ウォール)がバリアに激突。

 その場でスーターともどもリタイアを喫し4周にわたってSCが発動し、ダルベルトを含め週末の3戦目までコースに戻れる見込みはなく、このアクシデントがスーターのタイトル獲得の望みに大きな打撃を与えることに。

 リスタート直後の5周目には、GRMの僚友であるバルグワナを抜いたコックスが首位浮上に成功し、最後はディラン・オキーフ(リンク&コー03 TCR/アシュリー・スワード・モータースポーツ)とヒョンデのバカンを従え、新型車両のデビューウイークで望外の初優勝を手にした。

「とても大きな意味がある。彼らGRMのクルーを心の底から誇りに思うよ」と喜びを語ったコックス。「これは18カ月の短期間でまとめられたプロジェクトであり、白紙の状態からクルマを組み立てて披露し、すぐにトロフィーを獲得できるチームはそれほど多くないだろうね!」

 残る最終ヒートは、やはりホンダのダルベルトらが修復不可で欠場となるなか、オキーフの終盤の挑戦をかわしたバカンが2勝目を獲得。失意のスーターに代わって新たなポイントリーダーに浮上する展開に。

 前述のとおり最終戦『ザ・バサースト・インターナショナル』は、11月8~10日に“聖地”マウントパノラマで開催される。

選手権首位のザック・スーター(アウディRS3 LMS 2/タフリフト・レーシング)は、アクシデントで初王座へ黄色信号が灯る
レース1でエンジントラブルを抱えながら、旧型で奮闘のアーロン・キャメロン(プジョー308 TCR/チーム・バルボリンGRM)
「白紙の状態からクルマを組み立てて披露し、すぐにトロフィーを獲得できるチームはそれほど多くないだろうね!」とレース2勝者のジョーダン・コックス
レース3も制覇して週末2勝のジョシュ・バカンが、新たなポイントリーダーに浮上している


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