セッション中はマシンの操作とコースに慣れながら、チームから与えられたミッションをこなしていった小山。最後には新品タイヤを装着して350kwモードでのアタックも実施して4番手タイムを記録したが、本人としては「セッション終盤に赤旗が出て、そこで予定が少し変わってしまいました」と小山。
「本来ならウォームアップを2周して300kwモードでプッシュ、その後1周のクールダウンラップを入れて350kwモードでプッシュする予定でしたが、セッション終盤で赤旗が出たことで予定がズレてしまい、最初のアタックに入ろうとしたセクター3で急きょ350kwモードでプッシュすることになりました」
「最後のアタックでは、チームと協力してうまくスペースコントロールはできていたのですけど、セクター2の終わりから前のクルマに追いついてしまい、セクター3は完全に引っかかってしまいました」
小山はセクター1と2でトップ3に入るタイムを記録できていたものの、セクター3だけでは7番手タイムに終わった。その部分はチームもわかってくれている様子で「最終結果はあのタイムになりましたけど、セクター3で完全に引っかかってしまいました。残念な気持ちもありますが、そのまでのプロセスはとても良く、納得しています。チームも見ていたので『上出来だったよ!』と言ってくれました」と、チームからの評価は上場の様子だ。
「最初はトラブルで全然走れておらず、アタックのときも急きょ予定変更になったなかで走り切ったので、チームのみんなもすごく喜んでくれていました。今回のテストはゼインのシーズンを見据えてのメニューもあったので『ゼインのために時間を使えたから助かったよ! ありがとう』と言ってもらえました」と小山。
改めて初のフォーミュラEテストに参加した感想を聞くと「また乗りたい」という言葉が返ってきた。
「デブリーフィング(テスト終了後のミーティング)もすべて参加させてもらいましたけど、ドライバーやエンジニアが発言する内容は勉強になりましたし、フォーミュラEは関わっている人がすごく多いです。各役割での仕事ぶりを見ていると『すごくプロフェッショナルな場所だな』と感じました」
「今回は主にゼイン車の無線も全部聞いていましたし、デブリーフィングにも参加しました。エンジニアとの会話ひとつひとつがドライバーとしてすごく勉強になりました」
「乗ってみて楽しさも感じましたし、知らないことに触れると『より知りたく』なります。実際にフォーミュラEのクルマに乗ってみると、ドライバーとして『もっと乗りたい』『乗りこなしたい』と感じる部分はありました」
ここから先がどう繋がっていくかはまったく未知数のようで、小山も「今後のことはまだ分からない」とのことだったが「機会をもらえて、素晴らしい経験をさせてもらえたし、一緒に過ごした時間がとても勉強になったので、これからまた一緒に活動していけたら嬉しいです」と、チームおよび関係者に感謝していた。

