その流れが味方したのが先頭を走るM1RAの2台。セカンドシケインで3番手バービッシュのレイトブレーキングをタッシがしのぎ切ると、2周目の第1シケインでは3番手バービッシュに4番グリッドからスタートのアルファロメオ・ジュリエッタ、ダビド・カヤイアが地元の大声援を受け猛チャージ。
2台は接触しながらシケインをクリアすると、その後もサイド・バイ・サイドのバトルを披露。さらに中団でもバトルによる接触、シケインカットが頻発し、めまぐるしく順位が入れ替わり、終盤シビックを追ったのはジリジリとポジションを上げてきたセアト・レオンTCRのオリオラとなった。
そして9周目。オリオラからの再三のプレッシャーにさらされていた2番手タッシは、レズモ・コーナーでブレーキングを誤りわずかにオーバーラン。その間隙を突いてオリオラがついに2番手に浮上する。
しかしすぐさま反撃に転じたタッシは、翌10周目のホームストレートで速度を乗せ、オリオラとテール・トゥ・ノーズの状態に持ち込むと、ロッジアでふたたび2番手に浮上。その際にシビックのリヤにコンタクトしたオリオラのマシンはフェンダーが吹き飛ぶダメージを負ったが、11周のレースはそのままチェッカー。


コルチアゴが今季2勝目、タッシが2位に入り、M1RAがパワーサーキットでマシンの優位性を証明するワン・ツー。3位にオリオラ、4位に前戦勝者レパード・レーシングのジャン-カール・ベルネイ(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)が入った。
続く日曜のレース2は、リバースグリッドの3番手からスタートしたコミニが抜群のダッシュで先頭に立つと、そのままレースを支配。しかし、そのコミニを脅かしたのは、9番グリッドから次々とライバルをかわしてきたコルチアゴのシビック。
1周1台のペースで仕留めてきたコルチアゴは、9周目にアウディRS3 LMSのリヤバンパーをついに捉えると、10周目の1コーナーでアウトからオーバーテイク。しかし、コミニもすぐさま反応し、ロッジアのブレーキングでコルチアゴを再度逆転。

最終ラップのパラボリカ進入でもきわどい攻防を制したコミニが、コルチアゴに続く今季2勝目。わずか0.170秒差の2位に連続表彰台のコルチアゴ、3位にバービッシュのアウディが入り、上位11台が4秒差以内でのフィニッシュという大混戦となった。

次戦となる第5戦は6月10~11日にオーストリア・ザルツブルグリンクでの単独開催となる。