更新日: 2017.05.16 11:09
FIA F2開幕戦の躓きを払拭した松下「アグレッシブに行こうと決めていた」
「タイヤ交換してから10周くらいは、(ギオットより)僕の方が速いなと感じながら走っていました。抜こう、抜こうと思いながら走っていたんですけど、10周くらいして彼がプッシュし始めたら僕はついていくことができなくて。1秒ちょっとの差で走っていたんで、ちょっと近すぎたのかもしれません。最後は後ろから来た(オリバー・)ローランドが新しいオプションタイヤを履いていたんで、あれを抑えるのは無理でしたね」
あと一歩のところで表彰台を逃したのは悔しかったが、それは戦略上いかんともし難いこと。そもそもセーフティカーがなければ「6位くらいにしかいけなかったしラッキーだった」と冷静に周りを見渡せる余裕もあった。
レース1では上位勢に較べてタイヤのデグラデーションが大きかったこともあり、松下はARTのエンジニアとともに夜遅くまでデータを分析してセットアップと走り方の変更点を見付ける努力も惜しまなかった。
日曜午前のレース2では、5番グリッドからのスタート。
ここでも松下は好スタートを見せて一気に3位に浮上し、ターン1へと飛び込んでいった。
「スタートは自信があったしできるだけオーバーテイクしてやろうと思っていたんですけど、ちょっとホイールスピンしてしまったんで自分的には失敗だったんです。本当だったらもう1台抜けていたと思います。でも周りと較べれば良いスタートでしたね」
首位はニコラス・ラティフィ、2位はグスタフ・マリヤ、そして3位に松下。1セットのハードタイヤで26周を戦う長丁場だけに、まずはタイヤを労るためにペースを抑え、10周を過ぎたあたりから攻撃を開始した。
「昨日のレースはリアのデグラデーションがひどかったんで、そこからは前とのギャップを少し開けてタイヤを労ることを考えながら走っていました。前のマリヤがあまり速くないのが分かったんで、早めに抜こうと思って仕掛けました」
14周目のターン1でタイヤをロックさせたマリヤを抜いた松下だったが、首位ラティフィのペースはほぼ同等で差はなかなか縮まっていかない。しかし、諦めることなくアグレッシブなレースをする松下にまたしても幸運が舞い込んできた。22周目のターン5でラティフィがブレーキングをミスし、コースオフしたのだ。
「トップのニコラス(・ラティフィ)が結構速くて僕と同じか少し速いくらいだったんで、(追い付いて抜くのは)ちょっと厳しいなと思っていました。でもずっと同じくらいのペースで走っていたら彼が最後にミスをしてくれたんでラッキーでしたね。昨日の夜にかなりタイヤのデータを分析したのが効いたし、僕のドライビングもセットアップも昨日より良かった。それは自信になりました」
昨年のモナコのレース2以来、約1年ぶりの勝利。前日のGP3福住仁嶺に続いてバルセロナに『君が代』が鳴り響いた。