そしてメインとなる日曜“フューチャー”レースは、現地正午のレース開始時には快晴から曇り空へと変化するなか、32周の決勝がスタート。
このレース最大の特徴は、ラリークロス・スタイルを取り入れた“ジョーカー・ラップ”システムが導入された点。各ドライバーは2回までジョーカーの使用が認められた。

まずスタートではプジョーの2台がフロントロウからポジションを堅持。3番手にはルノーのアルドゥソをかわしたフォードのフィネンチが浮上し、シボレーのカナピノが続く展開に。
このレースで最初のジョーカー利用者となったのは、2周目にショートカットへと飛び込んだプジョー・ワークスの4台目、ファクンド・チャプル。
前日の予選レースでDNFとなっていたチャプルは、21番グリッドからのスタートで前方車列に詰まったところ、すぐさまジョーカーを使用。これで一気に8番手まで浮上した。
続いて5周目にはシトロエンのマルティン・モッジアがジョーカーに飛び込み首位に躍り出ると、翌周にはシャナンツォーニが反応して1回目のジョーカーを利用し再逆転。
同じラップでは、2回目のジョーカーを切ったチャプルが早々に2番手まで上がることに成功した。
レース中盤にはルノーのアルドゥソや、トヨタのロッシがエンジンや電気系のトラブルでストップするなか、シャナンツォーニが2番手チャプル以下を7秒以上引き離す余裕のレースを披露。
しかし、後半になるとジョーカーを温存していた有力ドライバーが逆襲を開始する。
27周目に最初のジョーカーに飛び込んだシボレーの王者カナピノが2番手に。28周目にモッジアが最後のカードを切り2番手を奪還すると、残りのジョーカーで誰がシャナンツォーニをとらえるかが焦点となる。
しかし、ここで首位のプジョー408は29周目、30周目と連続してジョーカーを発動。この時点で2番手を走行していたフィネンチのフォードに16秒の大量マージンを築くことに成功した。

さらにファイナルラップでフォード・フォーカスⅢセダンのエンジンがまさかのブローとなり戦線離脱。
その後もSC導入などの波乱はなく、トップチェッカーのシャナンツォーニに続き、チームメイトのウェルナーが2位。3位には最後のジョーカーでルノーのスパタロを逆転した王者カナピノのシボレーが入った。

週末2連勝を飾ったシャナンツォーニはこれで選手権5位に浮上。連続2位表彰台のウェルナーが47ポイントで選手権首位。5ポイント差でカナピノが追う展開となっている。
次戦第4戦は5月20~21日にロザリオにある母国の英雄“ファン-マニュエル・ファンジオ”の名を冠したサーキットで開催され、伝統的にトヨタが強いトラックでの戦いとなる。
