エアロの開発が昨年度から凍結したこともあってか、実力の伯仲ぶりがさらに高まっていた今年のインディ500では接近戦がいたる所で繰り広げられ、アクシデント多発となった。
ポールシッターだったスコット・ディクソンは単独クラッシュして壁から跳ね返ってきたジェイ・ハワード(シュミット・ピーターソン)にヒットされリタイア。終盤にはウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、ジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)、オリオール・セルビア(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)が多重アクシデントの餌食となった。
ロッシはレースが後半に入ってからのピットストップに時間がかかって後退。ハンター-レイとアロンソはエンジントラブルでのリタイアを喫した。

ゴールまでの最終スティント、トップ争いはマックス・チルトン(チップ・ガナッシ)、エド・ジョーンズ(デイル・コイン・レーシング)、琢磨、カストロネベスの4人に絞り込まれた。
チルトンは参戦3年目、ジョーンズはルーキー。勝負が琢磨vsカストロネベスになるものと見られ、実際にもそうなった。
インディ500で3回も優勝しているカストロネベスは、192周目に琢磨をパスし、194週目にはチルトンも抜いてトップに躍り出た。
琢磨はトップをいくチルトンを抜きあぐねていたが、カストロネベスを逃すわけにはいかない状況下で、チルトンを攻め落として2番手に浮上。その勢いで195周目にカストロネベスをオーバーテイクしてトップに立った。そして、そこからはトップを譲らず、0.2011秒の差をつけてゴールへと飛び込んだ。
