さらに波乱が起きたのは150周過ぎ。ヒンチクリフなど10台が絡むビックアクシデントがあり、琢磨はこれをうまくイン側に避けてクリア。しかしレースは赤旗で中断となり、7番手まで自動的にポジションを上げた所でピットレーンでレース再開を待つことに。
テキサス戦では、持ち込んだタイヤが合わずファイアストンの右フロントタイヤにブリスターが発生。協議の末、安全対策のために残りの周回は30周ごとにイエローコーションが出されることになり、残り90余のレースで二度のイエローが出る計算となった。ここまで生き残ったのは22台中12台しかいない。

リスタート後、琢磨は7番手からうまいポジション取りで3~4番手まで浮上していた。トップを争うのはペンスキーのパワー、パジェノー、ガナッシのディクソン、そして追い上げてきたカナーンなど強豪ばかり。レースは当然白熱したものとなった。
先頭のパワーとディクソンがリードするものの、琢磨、パジェノー、そしてカナーンもこれを追う。途中、琢磨が見せた3ワイドからのオーバーテイクは、この日のいちばんの見せ場だっただろう。

レースもあと5周となった時、メインストレートのイン側にいた琢磨は前後と右側を塞がれて、完全にボックスにハマる状態に。行き場を失いつつイン側のグリーンに乗り上げてバランスを崩しスピン! 右前にいたディクソンと共にクラッシュし、レースを終えてしまった。
一度ラップ遅れからトップ争いに復活するなど、今日は強運が味方していただけに悔やまれるクラッシュだった。琢磨の最終順位は10位に。だがカストロネベス、ディクソンもチェッカーを受けなかったため、ポイントランキングは3位を死守した。
琢磨は「今日はラップ遅れからトップ争いに戻れていただけに本当に悔しい。途中アクシデントがあったりしたけど、最後までフィニッシュしたかったですね」と唇を噛んだ。
この後、琢磨は身支度を整えて、ファンの待つ日本へ帰る。