更新日: 2017.06.14 09:03
TCRインター:”魔のターン9″に4台が沈むなか、シビックが今季2度目のワン・ツー
6月10~11日にオーストリア・ザルツブルクリンクで開催された、TCRインターナショナル・シリーズの第5戦は、金曜のフリープラクティスから3台のマシンが大破する大クラッシュが発生。その波乱のなか、土曜のレース1はアルファロメオ・ジュリエッタのドゥサン・ボルコビッチが勝利。続く日曜のレース2は、ホンダ・シビック・タイプRのロベルト・コルチアゴ、アッティラ・タッシが見事なワン・ツーを決めた。
金曜プラクティス、事件は高速ターン9で起こった。200km/hを超える速度で右のライトハンダーへと進入したレパード・レーシング、ロブ・ハフのフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRは、エイペックスへ向かうまさにその瞬間に左フロントタイヤがパンク。
コントロールを失ったハフは、ほとんど減速することもできずにアウト側のバリアにヒットし、フロントからロールオーバー、マシンは3回転ほどして着地した。
なんとか自力でマシンから脱出したハフだが、このアクシデントで左肘に打撲を負うことに。さらにシビックのタッシ、セアト・レオンTCRのフェレンチ・フィツカも同様のクラッシュを喫し、フィツカは精密検査を受けるため無念の欠場。
一方のタッシは、所属するM1RAチームと、シビックのTCRマシン製作を手がけるイタリアのJASモータースポーツとの連携により、ミラノからニューマシンを搬送するという離れ業を披露。タッシ本人も検査の結果出場が許可されたため、なんとか決勝レースのグリッドに並ぶことができた。
土曜レース1でフロントロウに並んだのは、インターナショナルで初ポールを獲得した、オペル・アストラTCRのマット・オモラと、ボルコビッチのアルファロメオ。
そのスタートではジュリエッタが抜群の反応を見せ、アストラの前で1コーナーへ。そのまま逃げの体勢に入り、一気にリードを拡大する。
その後方から逃げるジュリエッタを追おうと激しいチャージを見せたのは、クラフト-バンブー・ルクオイル・チームのペペ・オリオラとジェームス・ナッシュ(ともにセアト・レオンTCR)。
しかし、2台ともにアストラTCRへのアタックでタイヤを使いすぎたか、ナッシュは8周目、オリオラは続く9周目に、アウディRS3 LMSのステファノ・コミニの攻めに陥落。シリーズ2連覇中にして、TCRインターナショナル唯一の王者に3番手のポジションを明け渡した。