このまま何事もなくレースが進行するかと思われた同じ9周目、ふたたびターン9で悪夢が連鎖する。昨日同様ハフのゴルフがリプレイを見るかのようにバリアに吸い込まれ大クラッシュ。これでセーフティカー(SC)導入となり、ハフの無事は確認されたものの、マシン回収に時間を要し12周目にレースは再開。

 そのリスタートからすぐの14周目に、今度はハフのチームメイトであるジャン-カール・ベルネイが、ハフのわずか数メートル手前のポイントで同じようにバリアへ激突。

ターン9は過重負荷が原因と思われるが、レース2でも序盤からデブリ等の影響でパンクが続出
ターン9は過重負荷が原因と思われるが、レース2でも序盤からデブリ等の影響でパンクが続出

 これで2度目のSCとなったレースは、そのままレッドフラッグ。ボルコビッチ、オモラ、コミニのポジションでレース成立となり、GEフォース・チームのアルファロメオが今季2勝目となった。

 翌日のレース2、レパード・レーシングの2台はマシン修復が不可能との判断から出走せず。ポールポジションからのダッシュを決めたのは、M1RAのロベルト・コルチアゴ(ホンダ・シビック・タイプR)。

 2番手にウェスト・コースト・レーシングのジャンニ・モルビデリ(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)を従えオープニングラップを制すと、その後方からは金曜に大クラッシュを喫してニューマシンに乗り換えていたチームメイトが猛追。

 1周目に3番手のナッシュを捉えると、続く2周目にはモルビデリと目まぐるしくポジションを入れ替えるバトルを披露。

 3周目にはその勝負にも決着をつけ2番手に浮上すると、中盤以降はコミニからのプレッシャーをうまくかわして落ち着いたレースマネジメントを見せ、見事M1RAのワン・ツー・フィニッシュを完成させた。

 レース中でも、ターン9を通過する際に「最初の何周かはやはり恐怖を感じた」と振り返ったタッシは、チームメイトと並ぶ2位表彰台を「奇跡だ」と語った。

「金曜日の大クラッシュの後、僕らはレースはおろか、予選にさえ出場できないだろうと思っていた。ノルベルト・ミケリスとM1RAチーム、JASモータースポーツ、そして家族みんなに感謝したい」

アウディRS3 LMSのステファノ・コミニが連続3位表彰台でランク首位浮上
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 これでハンガリーに拠点を置くチームは、最高のリザルトを提げて母国へ凱旋。DTMドイツ・ツーリングカー選手権との併催となる、次戦ハンガリー・ラウンドは連戦となる6月17~18日に開催。このオーストリアの週末に2台のマシンを失ったレパード・レーシングにとっては、マシン修復に追われる厳しいレースウイークとなってしまった。

クラフト-バンブーは今回から元BTCCドライバーのダン・ロイド(右)が途中加入。ヒューゴ・バレンテがキャリア引退を決めた
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新車を手配したノルベルト・ミケリス(左)も表彰台で笑顔のサムアップ
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