レース中盤はこう着状態が続くなか、トヨタ軍団に先行されたリーバーは、その後もペースが上がらず後方から迫ってきたマリアーノ・ウェルナー(プジョー・408)に対し、徹底したディフェンスを迫られる。
そして迎えた最終ラップに最後の波乱が巻き起こる。今季ここまでプライベーターながらつねにシングルフィニッシュを争う活躍を見せてきたダミアン・フィネンチ(フォード・フォーカス3セダン)が、ウォールに激しくクラッシュ。2度目のSC導入となり、レース距離3周延長の措置となったのだ。
最後のスプリントとなったリスタートでは、2番手ロッシが首位のアルドゥソに激しくチャージを仕掛けると、その後方がまたも大混乱に陥る。
ポンセ・デ・レオンのドライビングミスなどでポジションを回復していた4番手リーバーが、前を走るミラのカローラに追突。ふたりはともに大きくポジションを下げてしまう。
その後も中段グループで接触に次ぐ接触のバトルが多発するなか、アルドゥソがロッシの猛攻をかわしきりなんとか27周のトップチェッカー。3位にディフェンディングチャンピオンのアグスティン・カナピノ(シボレーYPFクルーズ)が入り、4位にWTCC世界ツーリングカー選手権ドライバーでもあるエステバン・グエリエリ(シトロエン・C4ラウンジ)が続いた。

明けた翌日日曜の正午過ぎ。今度はデイレースとなった決勝フューチャーレースは、ポールポジションを前日3位表彰台で勢いに乗るカナピノが獲得。フロントロウにトヨタのロッシ、セカンドロウにアルドゥソとペーニャのルノー2台が並んだ。
スタートから後続を引き離しにかかった先頭2台は、軽くコンタクトを繰り返しながらバトルを続け、6周目のターン1でロッシがインにダイブ。週末初の首位浮上に成功する。
しかし、後続のクラッシュでSCが導入されると、リスタート後にロッシのカローラには深刻なバイブレーションの問題が発生。カナピノやルノーの2台にかわされたのち、コントロールを失いクラッシュ。自らもSCの引き金となってしまう。
この2度目のSC明けから順調にレースをリードしていたカナピノだが、残り4周に差し掛かった時点で彼のシボレーにも不運が襲い、フロントサスペンショントラブルでストップ。またもスポーティングレギュレーションにより、残り3周に延長されてレースはリスタート。
これで労せずして首位を手にしたアルドゥソが、ペーニャを引き連れて連日のトップチェッカー。3位表彰台に、前日の無念を晴らしたリーバーのシボレーが入った。

これで2連勝を挙げたアルドゥソがチャンピオンシップでのリードを19ポイントに拡大。スーパーTC2000の次戦となる第9戦は、9月30~10月1日にオスカー・ファン・ガルベスのトラックを舞台に、伝統のブエノスアイレス200kmレースとして開催される。

