そしてツーリングカーの世界ではおなじみである、ドイツKW製のショックアブソーバーは、ブコビッチ・モータースポーツとの共同開発による専用チューンのコイルオーバーをチョイスし、その足元にはOZ製のホイールを装着。
マクファーソン形式のフロントは2WAYアジャスタブル・ダンパーでアンチロールバーとロールセンターの調整が可能。トーションビームのリヤにも2WAYアジャスタブル・ダンパーを採用し、こちらもアンチロールバーの調整が可能となり、両社ともにTCRシリーズからの指定を受けた認証サプライヤーとなっている。

また心臓部となるエンジンは、スイスとオーストリアに囲まれた小国リヒテンシュタインに本拠地を置くエンジンチューナー、レーマン・モトーレンテクニーク社が開発を担当し、長年培ってきたターボチャージャーのノウハウを活用。1798ccの4気筒直噴ターボをレーストラック仕様の耐久性を維持しつつ、ライバル勢より少ない排気量から350PS/420Nmの出力を絞り出す。

そのほか、クラッチにはドイツ・ザックス製のツインプレートを採用し、ブレーキはAPレーシング製でフロントは380mmのベンチレーテッドディスクに6ポッドキャリパー、リヤ2ポッドの構成となっている。
スイス・サンクトマルグレーテンにあるチームのワークショップでは、現在も集中的なR&Dとコンストラクションの作業が行われており、この新型『ルノー・メガーヌTCR』は年内のシェイクダウンを予定。同時にカスタマーからの問い合わせ、受付も開始している。