そのインシデントの不穏な空気が漂うなかスタートしたレース2は、ポールスタートとなったイングラムの背後でリベンジの機会を伺ったゴフが、3周目のベケッツでオーバーテイクに成功。ついに首位浮上を果たすと、そのまま22周のレースをリードしイングラムを4.910秒引き離して今季2度目のトップチェッカー。

さらに2番手イングラムの後方、最後の表彰台争いを繰り広げていた3番手のWSR、コリン・ターキントンに対し、タイトル争いで直接のライバルとなるチームBMRのポイントリーダー、アシュリー・サットン(スバル・レヴォーグGT)が最終ラップのラ・フィールドで強引なパッシングを敢行。
これに対し、レース後に抗議を行ったWSRの申し立てが認められ、サットンにはレース3で最後尾グリッド降格のペナルティが課されることに。
そして週末の最終ラウンドとなるレース3は、前戦でシングル8位に入賞しリバースグリッドのセカンドロウに着けていたスポット参戦の名手ロブ・ハフ(ボクスホール・アストラ)が、序盤からレースを支配する見事なレース運びを披露。
しかし残り4周となった21周目に、長らく「これぞツーリングカーレース」という好バトルを展開してきたチーム・ダイナミクスのマット・ニール(ホンダ・シビック・タイプR)がついにアストラを攻略し首位に。最終的に25周となったレースは勝者ニール、2位ハフ、3位にデイブ・ニューシャムのシボレー・クルーズの表彰台となった。

また、このレースでも中団グループ以下では激しいバトルが展開され、セーフティカー導入のアクシデントも発生。接触、コースオフ、リタイヤに関与したマシンは述べ14台以上にのぼり、タイトルを争うターキントンもチーム・パーカー・レーシングのステファン・ジェリー(フォード・フォーカスST)との接触でフロントエンドを大破。
こうした数々の混乱を受け、シリーズディレクターを務めるアラン・ゴウは不必要な接触や重大事故につながるアクシデントを削減するため「さらに厳重な罰則規定」の導入を検討する、と発言した。
「今季は罰金額の増大やペナルティ判定の厳格化を進めたにもかかわらず、身体的ダメージにつながるアクシデントが増える一方という状況は、あまりハッピーとは言えない。少なくとも、私が記憶している限りシーズン最多のアクシデント数に上っている」とゴウ。
「もちろん、全32台が予選で1秒以内に入る激烈な競争レベルゆえに、接触が避けられない側面はあるだろう。しかし、ドライバーによっては相手にスペースを残し優雅なデュエルを披露してくれる。それが可能であることもまた事実だ」
「来月早々にはチームメンバーも招集し、まずは各人のマインドセットを変えていく必要があると考えている」
