決勝レースでは、序盤に今村が佐々木との接触から緊急ピットインを余儀なくされたこともあり、山野はチャンピオン獲得を念頭に危なげない走りを披露。終盤には吉田綜一郎(KOTA RACING)とクリーンなバトルを演じてファンを魅了しながら2位でチェッカー。見事、シリーズチャンピオンに輝いた。

「(第4戦から最終戦までの)2カ月のインターバルでクルマをリフレッシュし、テスト走行もマメにこなしました。ここで見出したセッティングなどがあり、こういったチームとしての努力が予選でコンマ数秒差を生み出しました」と山野。
「決勝も安定して走れる仕様に(マシンを)改善できていました。最終戦に対する気合が半端なものではなかったことが勝因だと思いますね」
シリーズチャンピオンに輝いた山野は、10月12~14日にラグナセカで行われる『2017グローバルMX-5カップ チャレンジ』への切符を獲得。世界一の座を賭けて渡米する。

そんな山野にとって、ラグナセカがあるカリフォルニアは「思いが強い」場所だという。
「初めてクルマの免許を取ったのがカリフォルニアなんです。父親の仕事の関係で15歳の終わりで渡米して20歳までロサンゼルスに住んでいたんですよ。生まれて初めてクルマに乗ったカリフォルニアという場所で、自分自身初の(北米での)レースを戦うために帰れることに縁を感じますね」
「そこに世界一決定戦というタイトルもかかっています。(今年)日本で始まったグローバルMX-5カップ・ジャパンのチャンピオンとして、世界一決定戦に招待されるという点も不思議な縁を感じます」
「また、どちらかと言うと確実にチャンピオンを獲ってきたので、アメリカの地はチャレンジになるなと思います。ラグナセカという有名なサーキットを走れること自体が楽しみですが、僕自身ラグナセカを走ったことはありません。パイクスピークには参戦しましたが、そもそもアメリカでレースを戦ったことがないんです」
「グローバルMX-5カップはアメリカが本場といえるので、チャレンジャーとして、自分の技量を世界のドライバーの前で試しつつ、カリフォルニアという場所を楽しんできたいと思います」
レーシングドライバーとしてだけでなく、車両やタイヤの開発、ドライビングスクール講師としても、日本のモータースポーツ文化を支えている山野。世界一のMX-5使いという名誉をかけた戦いに挑む山野の戦いに期待したい。