代わって猛チャージを見せたのは、前戦サンダウン500で耐久カップ初戦を制したキャメロン・ウォーターズ/リッチー・スタナウェイ(フォード・ファルコンFG-X)組のチーム・モンスターエナジー・フォード。
5番手でウォーターズからバトンを受けたスタナウェイは、10周足らずの間に30秒以上あった首位とのギャップをみるみる詰めていき、トップを走るエレバスのマシンをキャッチアップ。そのまま首位浮上後に17秒ものマージンを稼いで、67周目に再びウォーターズにマシンを託す見事なパフォーマンスを披露した。
その後も、路面が乾き始めてはふたたび雨粒が落ちる不安定なコンディションのなか、残り8周となったところで、ダンプコンディションで果敢にスリックタイヤを履き、自身初となるトップ10フィニッシュを目指していたシモーナ・デ・シルベストロのニッサン・アルティマが、最終コーナーの縁石に足元をすくわれ、ホームストレートへ進入すると同時にスピンしリヤからウォールにヒット。

「本当に馬鹿げたミステイク」と自身が肩を落とすように、今季初めてのフル参戦を果たした彼女にとって唯一経験のあるトラックで、不名誉なシーズン初DNFとなってしまった。
このアクシデントによるセーフティカー導入からレースは一気に動きを見せ、3番手を走行中だったブラッド・ジョーンズ・レーシング(BJR)のニック・パーカット(ホールデン・コモドアVF)は、レース序盤にヒットしたホイールリムとアップライトのダメージが蓄積し、残り6周のところでロックアップしコースオフ。
なんとかピットに戻りホイール交換し、再び戦列に復帰するも最終ラップで再びマシンに異変が襲い、コントロール不能のまま大クラッシュ。
また、5番手を走行中だったマーク・ウインターボトム(フォード・ファルコンFG-X)も、前を行くレッドブル・レーシング・ホールデンのSVGこと、シェーン-ヴァン・ギズバーゲン(ホールデン・コモドアVF)を捉えようとアタックするも、失敗に終わりクラッシュ。

この波乱の最終スティントを乗り越え、エレバス・モータースポーツのレイノルズ/ヨールデン組が161周のトップチェッカー。2位には20番グリッドからセーフティカーを絡めた地道な燃費戦略が成功したモービル1HSVレーシングのスコット・パイ/ウォーレン・ラフ組が入り、最後の表彰台となる3位には、最終盤でポジションアップに成功したDJRペンスキーのもう一台、ファビアン・クルサード/トニー・ダルベルト組となった。
これで3位に入ったクルサードが選手権首位のチームメイト、マクローリンを逆転し97点差でポイントリーダーに浮上。タイトル争いを繰り広げるレッドブル・ホールデン、ジェイミー・ウィンカップはバルブトラブルで20位に終わるも、90ポイントを獲得してシリーズ2位に上がっている。

