迎えた2017年最後のSTC2000決勝。レッドライト消灯でホールショットを決めたのは、ディフェンディングチャンピオンの意地を見せたカナピノのシボレーYPFクルーズで、ポールシッターのアルドゥソはチームメイトのペーニャを従え2番手に後退。
4番手を走る、WTCC世界ツーリングカー選手権レギュラー、グエリエリの背後には、ロッシの隣6番グリッドから発進したプライベーター・フォードに乗るダミアン・フィネンチ(フォード・フォーカス3セダン)が浮上。その背後に、唯一のタイトルコンテンダーであるウェルナーのプジョー408がつけ、勝利が絶対条件のウェルナーにとっては序盤から苦しい展開となることが予想された。
そのオープニングラップで、自らの置かれた立場を理解しているウェルナーは、ターン2のアウトからフィネンチに仕掛けるも、かなり強引なターンインとなりフィネンチは行き場を失いマシンをスライドさせて接触を回避。ウェルナーは5番手に浮上したものの、アクシデントを回避したフィネンチは9番手にドロップする形になってしまう。
しかしレースはその後、静かな展開を見せこう着状態に突入。2周目に入ったところで5番手ウェルナーに対し、首位のカナピノは6秒前方のセーフティーリードを構築。そして18周目には、2番手のアルドゥソに対しても2秒のマージンを築くなど、シボレーがじりじりと後続を引き離しにかかる。
最初の異変が起こったのは24周目。3番手でアルドゥソを護衛していたペーニャのルノー・フルーエンスGTが、右フロントタイヤにトラブルを抱え緊急ピット。これで3番手にグエリエリ、4番手にウェルナーと、プジョーが表彰台圏内目前にまでポジションアップ。
しかし波乱はここまで。33周のレースはそのままチェッカーとなり、“前”王者のカナピノが優勝。2位に入ったアルドゥソが29歳にして初のツーリングカー・タイトルを獲得。最後の表彰台となる3位には、世界選手権を含め激動の2017年シーズンを過ごしたグエリエリが入った。
これでアルドゥソ自身は、2009年のフォーミュラ・ルノー2.0アルゼンティーナに続く年間タイトルとなり、2016年に移籍したルノースポール・チームに、アルゼンチンでの活動で23年ぶりとなるツーリングカータイトルをもたらした。



