2016年を最後に幕を閉じたTTA規定時代に採用されていたリバースグリッドに関しては、チームとドライバー間でその運用に関しての懐疑的な声が根強く、戦略的に“リバースポール”を狙うドライバーやチームが散見されたため、2017年のTCR規定導入を機に廃止された経緯があった。

 これに対し、今回のリバースグリッド規定では、予選最速ドライバーから上位5台に選手権ポイントを与えることや、25ポイントという大きな優勝ポイントが採用されている点を合わせて、健全なコンペティションが期待できるとの判断から、復活採用に踏み切った。

 STCCのスポーティングディレクターを務めるトーマス・ヨハンソンは「レース1を前にして何らかの議論は発生するだろうが、この変更が一層のコンペティションと、ドラマティックなチャンピオンシップを生み出してくれると信じている」とコメントした。

「とくに予選Q2での10番手と11番手では、天と地ほどの差が生まれる。かといってQ2で10番手を狙うのが得策かどうか。最速タイムの5ポイントを考えれば、諸手を挙げて“Yes”とは言えない状況が生まれるだろう。いずれにせよ中段に沈むのは2017年以上にリスクが高い」とヨハンソン。

 2017年チャンピオンのロバート・ダールグレンを擁するPWRレーシングと、WorldRX世界ラリークロス王者ヨハン・クリストファーソンと、その父が運営するクリストファーソン・モータースポーツ(KMS)で、合計21勝を奪うなど戦力が大きく偏った形となったTCR初年度のSTCC。

 その反省を踏まえて、この新ルールは予測不可能性を高めることを目的としており、各週末にエントラントが“常に最速を目指す”必要性を高める狙いが込められている。

 また、このフォーマット変更に加えて、各陣営が週末に使用できるタイヤセットも、1台あたり2セット削減とするなど、主催者側が新たな競争を演出するべくさまざま策を弄している。

セアト・レオンのPWRと、VWゴルフ3台体制のKMSが、実に21勝を分け合った
2018年はSTCCフル参戦を予定する、現WorldRX世界王者のヨハン・クリストファーソン

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