「アルゼンチンでレースをするのは本当に大好きだ。でもいつの日か、ヨーロッパのツーリングカー・シーンで自分の能力を試してみるのも悪くないと思っている。DTMがどんな雰囲気なのかはとても気になるし、新しいWTCRも面白そうだね」とアルドゥソ。
2017年は元王者のアグスティン・カナピノ(YPFシボレー/シボレーYPFクルーズ)やマティアス・ロッシ(TOYOTA GAZOO Racingアルゼンティーナ/トヨタ・カローラ)らを下し、最終戦までプジョーのウェルナーとタイトル争いを展開。そのライバルに対しても、予選ポールポジション獲得など精神戦でも優位に立ち、生まれ故郷のコルドバで見事な初タイトルを決めてみせた。
「もちろん、カナピノとロッシの(数字上の)可能性を摘み、レースを優位に運ぶ上でポールポジションは不可欠な要素だったけど、でもそれで安心したことはなかった。最終ラップでフィニッシュラインを越えて初めて、僕やチーム全員の努力、そして家族の辛い経験とサポートのことを思ったよ」とアルドゥソ。
このSTC2000王座を決めた地元コルドバ、オスカー・カバレンの同じトラックで、アルドゥソは2008年に瀕死の重傷を負うクラッシュを経験。ツーリズモ・ナショナルC3と呼ばれるカテゴリーのレースで宙を舞ったマシンは大破し、彼は頭蓋骨を骨折。顔や腰など身体中に深刻なダメージを負い、3日間の昏睡状態に陥った。
その後、懸命のリハビリを経て翌2009年にはフォーミュラ・ルノー2.0アルゼンチンのチャンピオンを獲得。このSTC2000王座はそれ以来となるビッグタイトルとなった。
「このトラックで勝ち、タイトルを決めることは僕にとって完璧なリベンジだった。もし(タイトル決定戦の場所を)自分で選ぶことができたとしても、このコルドバを選んでいたと思う」
2018年はすでにカーNo.1のルノー・フルーエンスGTをドライブすることが決まっているアルドゥソだが、将来的にWTCRや、DTMの舞台でステアリングを握る日が来るかもしれない。


