■ドライビングにファンが熱狂できるDTMを作って欲しい

──あなたもいつの間にかベテランドライバーとなり、10代の若手と戦う立場になっていますが、その状況を楽しむ事ができていましたか?
ME:実は若手を相手に戦うことは大好きなんだ(笑)。フォーミュラから来たばかりのドライバーに、DTMマシンを操ることが決して容易ではないことはベテランたちも良く知っている。でも手加減は一切しないよ。勝負の世界ではベテランもルーキーもまったく関係ないからね。どんな時も自分流を貫くだけ。若手は貪欲に食らいつくが良い。もがき苦しんで強くなっていくのだから。僕はそんな若いドライバーの姿をみて強く刺激を受けるし、『若造に負けてたまるか!』と高いモチベーションにもなってたからね。

──今後のDTMに望むことは?
ME:僕が参戦していた17年間の間に、DTMマシンは良くも悪くも大きく発展した。今のマシンはエアロが強化され、まるで線路の上を走っているかのような走りをする。ラリーやMotoGPは、たとえ厳格なレギュレーション下であっても各ドライバーのドライビングスタイルや個性が顕著に表れるように工夫されているし、その個性あふれるドライビングスタイルにファンが熱狂できるようなレースや、マシンの存在が本来あるべき姿の真のレースだと思っているよ。ITR代表のゲルハルト・ベルガーには、新しいDTMの時代を築いてくれることを大いに期待している。

──EKSチームのラリークロスの2018年の活動について教えてください。
ME:まずはチームオーナーである自分の進退を決めてから、ラリークロスのチームのことに着手しようと思っていたから、ドライバー選考はこれからだ。でも優秀な5〜6名の候補者がリストに並んでいる。実力あるドライバーがそろうと思うので、ドライバーラインアップが発表になるまで楽しみにしていてほしいね。昨年まで使っていたマシンはすべて売却し、新車のアウディS1をすでに手に入れているが、現在ベンチマークテストを重ねている状態なので、実際のポテンシャルが分かるまではまだもう少し時間が必要だ。

* * * * *

「DTMを去るという決断に今は満足をしているし、後悔はないよ。しかしこの決断が間違っていたのか、正解なのかは今の段階では誰も分からない。それが実際に分かるのは、ずいぶんとまだ先のことだろうね」とインタビューの最後に語ったエクストローム。

 エクストローム自身もスーパーGTとDTMの交流戦を誰よりも楽しみにしていただけに、それを叶える前にDTMを去ってしまったことが非常に残念でならない。今後エクストロームが挑む世界ラリークロスは、昨年はケン・ブロックやセバスチャン・ローブ、ペター・ソルベルクらトップドライバーが激しいアクションとバトルを繰り広げた人気のイベントだ。今季は再びチャンピオン奪回を狙うエクストロームとチームEKSの新たな躍進に期待したい。

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