ポジションは同じままだったが、琢磨はこのスティントでブラックタイヤ装着で走る上位陣との差を着実に縮めた。そして、迎えた2回目のピットストップ、クルーたちの奮闘もあって琢磨はライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)の前にピットアウトした。
■まさかのトラブルが降りかかる
さらに上位へ! と期待をしたいところだったが、ここで琢磨はブラックタイヤを装着。このスティントはいかに粘り強く走り、最後のピットストップに繋ぐかが課題だった。ところが、ここで琢磨に悪い知らせが……。ピットレーン入口でスピード違反があったというのだ。それも、2回のピット両方で。
27周目、琢磨はドライブスルーペナルティを受ける。これで18位まで一気にポジションダウン。終盤のリスタート時に琢磨はもう一度ピットをドライブスルーし、17位でレースを終えた。マシンの仕上がり具合、そして琢磨の目覚しい走りにはまったくそぐわない結果となった。
「インディカーに参戦を始めた頃から、ロード・アメリカのことは聞かされていました。とてもクラシカルなコース。ちょっと危ないコーナーもあるけど、そういうのもないと……ね」
「いい走りができていたテストに来なかったけれど、チームが頑張って予選前までにライバルたちに追いついた。予選は残念な結果となったけれど、決勝でのマシンはとても速かった。ピットストップもクルーが凄く速く仕事を済ませてくれ、ポジション・ゲインができていた」
「ピット・スピードリミッターの設定により、上り坂のピットロードでスピードを落としても加速をしてしまい、計測地点で時速50マイルをギリギリ越えてしまっていた」と琢磨は語った。結果は残せなかったが、チーム、そして自らが高いパフォーマンスを発揮できたことを高く評価していた。