デトロイトで勝った後、パワーは「ポイントリーダーより上位でフィニッシュし続けるのみ!」と宣言したが、以来、それを本当に実践し続けてみせている。デトロイトでのレース1後にペジナウとの間にあった124点という大差が、今日のレース後には47点にまで縮まっていた。もはやペジナウは完全にパワーの射程内に入った。

 今後はどちらに大きなプレッシャーが襲いかかるのか? それはおそらくタイトル獲得経験のないペジナウの方にだろう。大量ポイントリードをシーズン中盤に築き上げておきながらタイトルを取り逃たら、それは大失態だ。面子にかけてもそれは絶対に避けたいと考えるだろうペジナウにより大きなプレッシャーはのしかかっていく。対するパワーは、失う物は何もない。単純に追撃モードでプッシュし続ければいい。残るは中断中のテキサスを含めて5戦だ。

 オーストラリア出身のパワーは2006年、フランス出身のパジェノーは2007年にアメリカン・トップフォーミュラにチャンプカー・シリーズでデビューした。2007年、彼らはウォーカー・レーシングでチームメイトで、その9年後、シリーズ最強のチーム・ペンスキーで再びチームメイトとなった。宿命のライバルといっていいふたりは、インディカー・チャンピオンの座をかけた激闘を今後の5レースで繰り広げる。

インディカー第12戦トロント/ジェームズ・ヒンチクリフ
インディカー第12戦トロント/ジェームズ・ヒンチクリフ

 今日のレースでは地元トロントのジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)が予選6位から3位でゴールして表彰台に上った。母国カナダでのベスト・フィニッシュで、スタンドを埋めたファンから大きな喝采を浴びた。

 4位はゴール目前で燃料のスプラッシュを行なったカナーンのものとなった。

 そして、5位でゴールしたのが佐藤琢磨(AJ・フォイト・レーシング)だった。予選20位で最後尾から2列目のスタート。序盤はなかなか順位を上げれずにいた琢磨だったが、2回目のピットストップを少し早目の46周目に、フルコース・コーション下で行った彼は、燃費セーブとハイペースを両立させ、ゴール目前にチームメイトのアクシデントによるイエローが出たことにも助けられ、今シーズン・ベストタイとなる5位フィニッシュ(1回目はロングビーチ)を達成した。

インディカー第12戦トロント/佐藤琢磨
インディカー第12戦トロント/佐藤琢磨

「作戦が良かったこともありますが、今日こうしてトップ5フィニッシュできたのは本当に嬉しいですね。土曜日にはセッティングが悪くなっていましたが、今日はブラックでもレッドでも安定した走りができるマシンになっていたので、燃費をセーブしながらも速いペースを保って戦い続けることができました」

「終盤戦は速いマシンが後ろに何台も迫っていて厳しい戦いになっていましたが、アレシンらを封じ込めることができ、振り返ってみればエキサイティングで、そして楽しいレースになっていました。この調子で次のミド・オハイオからもいい走りを見せ続けたいですね。来週テストに行けますし、楽しみです」と琢磨はコメントした。

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