首位を守るオリベイラの背後には、6番手スタートから猛烈なスパートを見せたブラウ・モータースポーツ、セザール・ラモス/ケルビン・バン-デル・リンデ組のラモスが浮上。そこに3番手スタートのアルバカーキも加わり、この3台がパックとなって後続を引き離しにかかる。
レースが中盤に差し掛かる頃には雨量が減り始めると同時に、2番手のラモスがオリベイラにプレッシャーを掛け始め、7周目の1・2コーナー“セナS”でオリベイラをオーバーテイク。これでブラウ・モータースポーツの30号車が首位浮上に成功する。
さらに最終コーナーではアルバカーキも続き、ポジションがめまぐるしく入れ替わるなか、4番手以降の隊列も先頭集団をキャッチアップし始め、バックストレートエンドのターン4、カーブ・ド・ラゴで膨らんだフラーガをかわしたシェルVパワー・レーシングのリカルド・ゾンタ(ローレンス・バンスゥール組)が4番手に浮上すると、そのままの勢いでゾンタがオリベイラを捕捉。12周目には一気にオーバーテイクし、表彰台圏内まで浮上してきた。
全31周レースの中盤で、各陣営がドライバー交代のためのピットイン・タイミングを計り、その際にドライタイヤに履き替えようと各チームがチェンジオーバーの時期を探るなか、14周目にニコ・ミューラーのドライブしていたイピランガ・レーシングの21号車が右リヤタイヤのパンクに見舞われ緊急ピットへ。ここでチアゴ・カミーロとドライバー交代の上、給油とタイヤチェンジを行うも、交換作業に手間取り大幅にタイムロス。
このミューラーがコース上に落としたデブリ、タイヤ片を除去すべくSCが導入されると、ここが最適なピットウインドウと見たライバル勢が一斉にピットイン。イピランガ・レーシングはまだ21号車がピットに留まっていたものの、同じく3号車の女性ドライバー、ビア・フィゲレイド組のマシンもバーストに見舞われたためピットに呼び寄せ、大破した右リヤのボディワーク修復を急ぐ必要に迫られ、他陣営のマシンも入り乱れてピットレーンは大混雑に。
一方、SCが引っ張る隊列に残り、さらなるドライタイヤへの交換タイミングを計っていたシムド・レーシングのカカ・ブエノ/マッサ組、フルタイムスポーツ、バリチェロ/アルバカーキ組は、18周目のレース再開と同時にピットへと向かい、それぞれマッサ、バリチェロをドライタイヤで送り出し、元フェラーリF1ドライバーによる表彰台争いの直接対決構図に。
その時を同じくして、ターン4でバトルを演じていたピケJr.が、プラティ-ドナドッツィの1号車ピッツォニア/ジャービス組のマシンをヒットし、ピケJr.は自走不能となりエスケープゾーンでストップ、これが3度目のSC導入の引き金となった。



