WTCR:ティアゴ・モンテイロ、クラッシュ後の初ドライブ。アルファロメオも参戦へ
このほか、モンツァの高速トラックではヒュンダイ陣営としてWTCRに参戦するイバン・ミューラー・レーシングやBRCレーシングも走行を重ねていたものの、公式セッションではないことからホンダを含めたマシンにはトランスポンダが装着されておらず、ラップタイムは未計測のままとなり、その戦力差は明らかになっていない。ただし、現地パドックの声としてはガブリエル・タルキーニのドライブするヒュンダイi30 N TCRがコーナリング、ストレートスピードともに1歩秀でている、との評価が聞かれた。
また、WTCRからの正式アナウンスはまだないものの、すでに今季のグリッドに並ぶことが噂されているロメオ・フェラーリ製のアルファロメオ・ジュリエッタTCRも2018年型モデルがテストを重ね、そのドライバーズシートには元WTCCドライバーで豊富なツーリングカータイトル獲得経験を持つファブリツィオ・ジョバナルディと、17年までTCRインターナショナル・シリーズにウエスト・コースト・レーシングのフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRでエントリーしていたジャンニ・モルビデリ、そしてWTCCにも参戦したアメリカ人ドライバーのケビン・グリーソンが、開発と評価テストを担当した。
イタリアの著名なチューナーであるロメオ・フェラーリが開発を担当し、ミュルザンヌ・レーシングがチームとしてのオペレーションを担った2018年型ジュリエッタTCRのテストは、2日間のセッションで初日午前をモルビデリが、2日目の午前をグリーソンが、そして両日の午後をジョバナルディが担当する振り分けで行われた。
まだ3名のドライバーともにWTCRへの参戦確約や契約の発表はないものの、ロメオ・フェラーリのオペレーション・マネージャーを務めるミケーラ・セルッティは「彼らのおかげで、2018年シーズンへの準備はほぼ完璧に整った」とテストを総括した。
「このモンツァのセッションは本当に有意義で、バルセロナの公式テストやマラケシュの開幕戦を前に、あらゆる領域でマシンに改善を施すことが可能になった。今回の結果を持ち帰ることで、そこへマシンを送る前にいくつかの詳細を検証することになるでしょう」とセルッティ。
「我々はWTCC、DTM、VASC、BTCCなど豊富な経験を持つファブリツィオに多くを頼ったわ。そしてジャンニとケビンからはマシンセットアップの面で数々の助言とフィードバックを得ることができた」
「スペインでも雪が降るこの冬の気候では、今後も満足なテストスケジュールを確保するのが難しいことが予想されるけど、今回のモンツァは、私たちがファクトリーで行ってきた開発作業に自信をもたらしてくれる結果になったと言えそうね」