サットンはこの1日を通じてVASCで使用されるダンロップタイヤのすべてのコンパウンドを試し、同じくダンロップのワンメイクとなるBTCCでの経験から双方にとって有益なフィードバックを行ったという。
「本当に数多くの新たな体験があり、とても興味深い経験になった」と、テストを終えて満足げな表情で語るサットン。
「2種類のタイヤコンパウンド間で約2秒のラップタイムデルタがあったので、必然的にドライビングのアプローチも変える必要があった。でも、BTCCで慣れ親しんでいるダンロップのフィーリングは感じられたし、多くを学ぶことができた」
「ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッドのプロフェッショナリズムに感銘を受けたし、とても感謝している。今季はどこかのラウンドを見に行きたいと思うし、将来的には参戦してみたいカテゴリーのひとつだね」
そのVASCは開幕戦を終え、ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッドがチームズランキング首位の状態でアルバートパークに乗り込んできたが、F1併催戦アデレードでのプラクティスを前にフォードとニッサンの両陣営から疑義が提出されていた新型ホールデン・コモドアZBの軽量ルーフ、ボンネット、バルクヘッド使用に関する協議が行われ、フォードとニッサンにもコンポジット素材の軽量パーツへの置換が認められることとなった。
これは開幕戦時点で唯一Gen2規定の新型に移行していたホールデン・コモドアZBが、ルーフやボンネット、そして5ドアハッチバックボディの形状ゆえに新設されたリヤのバルクヘットに至るまでコンポジット製の軽量素材を使用していた問題で、レース後に抗議の声が挙がっていた。
これによりコモドアZBは1410kgのマシン最低重量を大きく下回り、40kg以上にもおよぶバラストの搭載が可能だったとも噂されており、ライバル陣営から「明らかに運動性能と重心位置が異なり、規定の理念に反する」と異論が噴出していた。
すでにメルボルンには新たに製作した軽量パネルやパーツ類を持ち込んでいたフォード、ニッサンの両陣営は、この裁定を受けさっそく新パーツへの換装を決行。その成果があったかレース2に向けた予選はホールデン開発チームのレッドブル・レーシング・オーストラリアの王者ジェイミー・ウインカップが最速だったものの、レース1予選でシェルVパワー・レーシング、DJRチーム・ペンスキーのスコット・マクローリンが、フォード・ファルコンFG-Xの今季初ポールポジションを獲得している。


