「次回のウィントンテストはさらに前進できるだろうし、今回築いたベースは悪くない。(マシン製作を担当した)ロスたちが他のクルマから得たいくつかの情報もフィードバックされていて、とくに熱害の問題は最初からクリアになっていた」
すでに開幕戦でデビューを果たしている『マツダBT-50』、『トヨタ・ハイラックス』、『ホールデン・コロラド』、『ミツビシ・トライトン』、『フォード・レンジャー』に加えて、6車種目のモデルとなったD-MAXだが、その導入はウィルソンの熱意により実現したものだと言える。
「僕はいすゞの大ファンだからね。豪州国内で展開するビジネスの目的も加味して、この選択をすることは必然だった」とウィルソン。
「他の誰かが作ったものや、同じ仲間がいれば開発も少し楽になったかもしれないが、それでもこうして挑戦することで、カテゴリーに新たなマニュファクチャラーを加えられたのは良いことだ」
「開幕戦のアデレードはTVで観戦したけど、自分がそこにいてトラックを走らせていないことに少しフラストレーションを覚えたよ。でもECBスーパー・ユート・シリーズは見栄えもよくて、とてもよい商業的価値を創出したように感じる。もちろん、この先も成長を続けていくはずだ」
4月2週に開催されるウィントン・テストには、シーダーズ・レーシングの『マツダBT-50』、『トヨタ・ハイラックス』、『ミツビシ・トライトン』なども参加し、開幕戦で発生したターボチャージャーの熱対策や、ディーゼルの出力調整が行われ、今後はVASCシリーズの技術部門と共同で、信頼性だけでなくパフォーマンスアップ方向の調整が予定されている。


