また1コーナーで発生した混乱を避けるべく、コースオフしてアクシンデントを避けていたレース1勝者フラーガも、その際にサスペンションを壊してターン8にストップ。さらにマシンからは火の手が上がり、これでセーフティカー(SC)が導入されることとなった。

 これでトップ集団に浮上したのは、レース1の14番グリッドから6位まで這い上がり、このレース2をサードロウから発進していたディ・グラッシ。11周目、SC後のリスタートではガブリエル・カサグランデ(ボーゲル・モータースポーツ)とテール・トゥ・ノーズのバトルを演じると、ピットウインドウが開いた早々、16周目にはピットへ。

 6番手でコース復帰したディ・グラッシにふたたび運が味方し、前方を走る5台がまだピットを終えていないタイミングで2度目のSC導入となり、これでギャップは消滅。

 開幕戦のレース・オブ・ダブルスではデフォッガーの不調によるリタイアという些細なミスでチャンスを逸していた男が、参戦2戦目にしてうれしいシリーズ初勝利を挙げると同時に、HEROモータースポーツのチームにも創設以来初となる優勝をプレゼントした。

「これが僕にとって、本当の意味でのストックカー開幕戦だったと言っていい」と振り返ったディ・グラッシ。

「サンパウロでのレースはダブルスだったこともあり、フォーマットも通常のものとは異なっていた。レース1ではコンサバティブなストラテジーを採用してマシンを温存し、レース2に向けてタイヤを残しておいたんだ。だからフルアタックのレース2は面白かったよ」

「このシリーズは本当に競争がし烈で、HEROプッシュのフォーマットもとてもクールだ。マシン同士の接近戦が多く、お互いの距離がとても近い。だからこのマシンを正しくドライブするための努力を惜しむことはできない。慣れるのに時間がかかる……なんてのは言い訳だ。右足でもたらす結果がすべての世界なんだからね」

 2位にはディ・グラッシ同様の展開でポジションを上げた5度のチャンピオン経験者、カカ・ブエノ(シムド・レーシング)が入り、最後の表彰台となる3位にはカサグランデ。そして4位には怒涛のカムバックを見せたバリチェロが入り、初戦ポールシッターの速さを証明するドライビングを披露している。

クリティバのレース2で早くもフル参戦後初勝利を飾ったルーカス・ディ・グラッシ
レース1で2位表彰台を獲得した2017年王者ダニエル・セラは、レース2では10位に終わる
レース2のスタートでは、先頭集団の80号車マルコス・ゴメスが直後にストップ
レース1勝者のフラーガもマシンが燃え、セーフティカー出動の引き金となってしまう

本日のレースクイーン

宮瀬七海みやせななみ
2025年 / スーパーGT
KOBELCOガールズ
  • auto sport ch by autosport web

    RA272とMP4/5の生音はマニア垂涎。ホンダF1オートサロン特別イベントの舞台裏に完全密着

    RA272とMP4/5の生音はマニア垂涎。ホンダF1オートサロン特別イベントの舞台裏に完全密着

  • auto sport

    auto sport 2025年6月号 No.1608

    [特集]レッドブル 角田裕毅
    5つの進化論

  • asweb shop

    STANLEY TEAM KUNIMITSUグッズに御朱印帳が登場!
    細かい繊細な織りで表現された豪華な仕上げ

    3,000円