メルセデス・モータースポーツのディレクターであり、元HWAの運営役員のひとりでもあったトト・ウォルフは、HWAがメルセデスのブランディングを前面に押し出してクルマを走らせない限り、このアイデアに反対することはない、と述べた。
「我々はプラットフォームとしてDTMを活用することを終了する決断を下した。残念だが、それが現実なんだ」と語ったウォルフ。
「しかし、HWAが引き続きDTMでマシンを走らせる希望を持っていて、その独立した事業に対して賛同するパートナーが見つけられれば、我々としてはその活動に何の障害を設ける気もない」
現在DTMは2017年から施行されたホモロゲーション・サイクルの2年目に突入しており、これはアライアンスを組む日本のスーパーGTも同様となっている。
しかし、ともにクラス1レギュレーションを採用する両者の間には少なくない隔たりが存在しており、2018年に向けてはDTMが空力レギュレーションに規制を設けることで、約30%のダウンフォース削減を実施。
また、エンジンに関してはよく知られているとおり、日本のGT500クラスのような2リッター4気筒直噴ターボの導入は実現しておらず、DTMは今季も4リッターV8自然吸気エンジンを搭載する。
当初の計画では昨年からDTMにも導入されるはずだったこのターボ化計画は、撤退を決める以前のメルセデスの反対によって延期された経緯があり、昨年末になってようやく2019年からアウディ、BMWが新エンジン搭載に向け合意する流れとなっていた。
「そのため、マシンは現行のものがそのまま継続される。しかし、エンジンだけは大きく変更されることになる」と付け加えたベルガー。
「(インディペンデントエントリーでも)スポンサーによる資金を調達する必要が出てくるだろうが、それでも実現は可能なはずだと思っている」

