更新日: 2018.05.10 10:44
予選直前のBoP変更もなんのその。STCC開幕戦でセアト・クプラTCRが表彰台独占
2周目以降、王者ダールグレンを引き連れたハグロフの先頭2台はペースアップしてマージンを広げていくと、3周目のターン2ではブリンク・モータースポーツのアウディRS3 LMSの2台、ミュッケ・オーソンとトビアス・ブリンクがそろってブレーキングを誤りワイドラン。グラベルに飛び込むアクシデントが発生。
オーソンのマシンは自力で脱出したものの、続く4周目には13番手走行中のアルビン・ワルネロ(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)がクラッシュ。セーフティカー(SC)の出動となった。
9周目のリスタートでは、2番手を走る王者ダールグレンがハグロフのクプラTCRに仕掛ける動きをみせ、わずかにマシンをコンタクトさせるバトルを演じながらもポジションに変化はなし。
直後にはウェスト・コースト・レーシング(WCR)のアンドレアス・バックマンがターン6でクラッシュしたため、再度SCが導入されたが、再開後は19周の規定周回数よりも先にSC先導走行による走行距離上限に達したため18周終了時点でチェッカーを受けることに。
この結果、ハグロフが1.7秒差でチームメイトの王者ダールグレンを抑えてオープニングを制覇。3位にもポールスタートのPWRレーシング、モーリンのクプラTCRが入り、セアト艦隊が表彰台独占の開幕戦完全制圧を成し遂げた。
続く日曜午後のレース2は、前日6位フィニッシュでリバースポールから発進したレストラップ・レーシングのアンドレアス・ウェルナーソン(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)がライト・トゥ・フラッグの完璧なレースでチームにSTCC初優勝をプレゼントすると同時に、キャリア2勝目を達成。
2位にダールグレン、3位にKMSのクリストファーソンが入り、4位にWCRのフレデリック・エクブロム(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)を挟んで、ハグロフが5位までカムバックしてフィニッシュとなった。
「今週はチームにとって最高の週末になった。レース2でも9番手から5位になれたのは大成功だ」と振り返ったハグロフ。
「レース2では不運なパンクに見舞われたが、ルーキーのモーリンも選手権でトップドライバーとして戦える実力を証明した。それに、女性ドライバーのミカエラ(-アーリン・コチュリンスキー)もレース1でポイント獲得に迫る11位と健闘を見せた。PWRとしてとても満足しているよ」
一方、レース1では4位、レース2で3位と、なんとか表彰台の一角を確保したクリストファーソンは「ハグロフらのセアトには遊ばれている感覚しかなかった。それほど彼らのレースペースは速かった」と語り、スポット参戦すれば連戦連勝の昨季とは異なり、今季の苦戦を予想している。
次戦STCC第2ラウンドとなるのは、スウェーデン南部に位置するアンダーストープ、スカンジナビアン・レースウェイが舞台。かつてのF1開催トラックでの勝負は6月15〜17日のスケジュールとなっている。