3周目にはHELLレーシングカラーで、WTCRの第2戦にもワイルドカード枠で参戦したKCMGのアッティラ・タッシ(FK8ホンダ・シビック・タイプR)がバトル中の接触でピットへ。このコンタクトが引き金となったかのように各所で接触バトルが展開する中、5周目には4番手争いがさらに激化。
ベルネイとバーがサイド・バイ・サイドでマシンを擦り付けるような勝負を見せると、そのあおりを受けヒットされたポールセンがワイドとなり6番手に後退。PCRスポーツのダニ・クロス(セアト・クプラTCR)らも、接触によるダメージからピットでリタイヤを強いられる荒れた展開となっていく。
その混乱をよそに、チームメイトと終始快適なクルージングで12周を走りきったボルコビッチは、新生TCRヨーロッパ初代勝者に。2位ナジー、3位アズコナの表彰台となった。
続く日曜のレース2は、前日から一転ウエットレースでの勝負となるも、リバースポール10番グリッドからスタートしたボルコビッチが、4周目の降雨赤旗中断までに首位ベルネイに次ぐ2番手にまで浮上。
再開後の9周目ファイナルラップでベルネイのアウディに仕掛けたボルコビッチが、マシンを投げ出しながらの防戦を見せるベルネイをかわして劇的な逆転勝利を達成。3位表彰台にはナジーが続き、ワイルドカード参戦を果たしたWTCR第2戦に続く3連続ポディウムを獲得した。
しかしレース後にはBoPに関する疑問や異議がエントラントから噴出。TCRを立ち上げたマルチェロ・ロッティが声明を出す事態にまで発展し、あわせてリザルトに応じて搭載されるコンペセンション・ウエイトの運用に関して、TCRヨーロッパは独自の方式を採用することを決定。5月19~21日開催の第2戦オランダ・ザントフールト戦から、全車半減の50%とすることを決めた。
これはWTCRを含め全TCRシリーズで同様のハンデウエイト運用が定められていたものだが、TCRヨーロッパでは全7戦とシリーズ開催数が少ないことを考慮した判断となっている。


