13周目を迎えたところで最初のピットウインドウとなり、16年王者フラーガが先陣を切ってルーティンピットへ。その直後、14周目にデニス・ナバーロ(シムド・レーシング)が、アントニオ・ピッツォニア(プラティ・ドナドッツィ・レーシング)にヒットされ、1コーナーのバリアにクラッシュ。このアクシデントで週末初のセーフティカー(SC)が導入され、F1経験者のピッツォニアはレースコントロールから即時失格の厳しい裁定を言い渡されることに。
その後17周目にSCアウトでレースが再開されると、先頭集団は堰を切ったようにピットへ。ここでカミーロ、ディ・グラッシ、セラの順でトラックに復帰した隊列に対し、ピットタイミングを遅らせて”ヒーロープッシュ”を使用したアッティラ・アブレウ(シェルVパワー・レーシング)が首位浮上に成功。
戦略が完璧に決まったアブレウは、カミーロ、ディ・グラッシ、そしてセラを従えて首位を快走し、ほぼ勝負ありの状況に。その背後で長らく2番手争いを展開したカミーロとディ・グラッシも、24周目にディ・グラッシがオーバーテイクを決め2位に浮上。そして、このパッシングが勝利の価値を持つ重要なキーとなる事件が発生する。
レースが27周目に入ったところで、レースコントロールはシェルVパワー・レーシングにピット作業違反があったとしてアブレウにピットスルー・ペナルティを宣告。検証で給油時にタイヤ交換作業を行っていたことが発覚し、これでアブレウは大きくポジションダウン。
代わって首位に立ったディ・グラッシがオーバーテイクの価値をさらに高める今季2勝目を獲得。そして29周目にはバリチェロがカミーロをオーバーテイクし2番手に浮上し大観衆を沸かせると、その動きにセラも続き連続表彰台を確保。これでセラは選手権リードを36ポイントにまで拡大することとなった。
フォーミュラEの現役王者として今季も同シリーズに参戦中のディ・グラッシは、SCBと交互に開催される5連戦のスケジュールを消化中で、SCBクリティバ、FEローマ、SCBヴェロパーク、FEパリ、そしてこの週末のロンドリーナと続いた5戦目の週末を勝利で飾り、ルーキーとして見事なリザルトを残し続くFEベルリン戦に向け弾みがついたと喜びを語った。
「もちろん、今日の勝利はアブレウのペナルティに助けられた側面はある。今日の僕らは両レースでポイントを獲得することが目標だったけど、開幕戦や第3戦のようにマシントラブルがなければ全部勝っている、と考えると素晴らしい仕事だと言わざるをえないね」
一方、両レースでポールを獲得しながら、惜しくも勝利を逃した2017年ランキング2位のバリチェロは「ポイント獲得が後々効いてくるはず」と、ポジティブに振り返った。
「レース1のスタートは、明らかにマックス(・ウィルソン)の蹴り出しが良く、ポジションを失った。でもピット戦略で取り返すことができた。レース2で、もし”ヒーロープッシュ”を持っていたら、ディ・グラッシを捕まえられたと思う。僕のクルマは彼のより速かったからね。いずれにせよ、4位と2位のリザルトは選手権での争いを助けてくれるはずだ」
SCBストックカー・ブラジルの第5戦サンタクルス・デ・ソルは、5月18〜20日に開催される。



