更新日: 2018.05.21 16:01
第102回インディ500予選2日目:驚速カーペンターが3度目のポール奪取。琢磨は大幅にポジションアップ
パワーは、「ダウンフォースをつけ過ぎスピードが伸びなかった」と悔しがっていたが、「マシンは非常に良い。フロントロウスタートだし、優勝のチャンスは大きい」とコメントした。
予選5番手はセバスチャン・ブルデー(デイル・コイン・レーシング)。ホンダ勢トップの彼は、ホンダ勢で唯一228mph台に載せる228.142mphを記録した。
デイル・コイン率いるチームは今やホンダのエース的存在。ルーキーで、負傷したピエトロ・フィッティパルディの代役としてインディを走っているザッカリー・クレイマン・デメロも予選13番手で強豪アンドレッティ・オートスポート勢の間に割って入って見せた。
予選6、7番手はエド・カーペンター・レーシングのスペンサー・ピゴットとダニカ・パトリック。スポット参戦のパトリック、2011年以来のインディカー・ドライブの彼女がファストナインに入れるぐらいに彼らのマシンはハイレベルの仕上がりになっていた。
そして、シボレーエンジンにパワーがあった。シボレー・ユーザーは今年のファストナインのうちの7人に及び、予選トップ12に9人が入っていた。
予選1日目に最速だったエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)は、自身4回目となるインディのポールを狙いにいったが、空力セッティングで攻め過ぎてアタック終盤でタイヤのグリップがダウン。予選結果は8番手となった。もちろん十分に優勝、史上最多タイとなる4勝目は射程圏内だ。
アンドレッティ・オートスポート勢はプラクティスでは上々の走りを見せていたが、予選では失速気味だった。予選第1ラウンドでは2016年インディ500ウィイナーのアレクサンダー・ロッシがファストナイン入りを狙って二度目のアタックまで行ったが、パトリックをはじき出すのに0.043mph届かず。
予選2日目のアタックではセッティングを外し、グリッドは最後列中央の32番手となった。今年の最速ラップである231.802mphを予選前日にドラフティング利用で記録しているマルコ・アンドレッティは予選12番手からインディ500初優勝、チームにとっての3連勝を狙う。
2014年インディ・ウイナーのライアン・ハンター-レイは予選14番手だった。
昨年度ウイナーで、今年はレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングからエントリーしている佐藤琢磨は、レース用ブーストでのプラクティスでの順位が24番手と、トラフィックでのマシン作りがスムーズに進んでいなかった。
金曜日からは予選に集中。しかし、1ラウンドを終えての順位は29番手で、チームメイトふたりもオリオール・セルビアが30番手、グレアム・レイホールが31番手と揃って大苦戦だった。
しかし、予選2日目にセッティングの大幅向上を実現させ、琢磨は予選16番手となった。13ものポジションアップだ。
「マシンが朝のプラクティスで良くなりました。4周連続走行で、すべてのラップを平均して良くする戦略にしました。1周のスピードを上げようとすると、2周目以降のスピードダウンが大きくなってしまうと考えたからです」
「空力の考え方で一歩大きく進歩した。今日得られたマシンの向上は、レース用セッティングにも反映できます。トラフィックでの走行では木曜に良い感じを得られていたので、その時のセッティングと今日のものをうまく合わせるようにします。明日のプラクティスが楽しみになりました」と琢磨の表情は一気に明るくなっていた。
予選を終えた第102回インディ500。21日のプラクティス走行と25日に最後のプラクティス走行となるカーブデイを行い、いよいよ27日に決勝レースを迎える。