続くレース2は予選トップ10のリバースグリッドとなり、ポールポジションにはレース1で4位に入ったホンダのアンダーソンがつけ、初優勝に向け絶好の機会……かと思われたが、スタートを前にトラックには大粒の雨が落ち、路面は半乾きのダンプコンディションでレーススタート。
その背後、2番手と3番手に並んだのはレース1でコースオフやジャンプスタートのペナルティを受けタフなレースを強いられていたブリンク・モータースポーツ、ミュッケ・オーソンとトビアス・ブリンクのアウディRS3 LMS勢で、1コーナーには3番手のブリンクがチームメイトを制して2番手でターンイン。
しかしレースは直後に、ウェットパッチによるオーバーランやコースオフが多発しセーフティーカー導入となり、グラベルトラップに捕まり身動きが取れなくなったマシンのなかには、レース1勝者のモーリンも含まれる波乱の展開に。
マシン回収後のリスタートで仕掛けたのは王者ダールグレンで、バックストレートからのブレーキングでエクブロムを捉えて4番手に浮上すると、そのダールグレンに追随したハグロフ、レストラップのゴルフGTI、ウェルナーソンも相次いでエクブロムをパッシング。
その同じ周回で、今度は首位を行くアンダーソンのシビックに異変が生じ、右フロントタイヤのパンクで最終コーナーをワイドラン。これでブリンクのアウディRS3が労せずして首位に浮上することとなった。
8周目にはダールグレンとともに首位を追っていたハグロフとウェルナーソンが1コーナーでバトルを演じ、ハグロフが止まり切れずにグラベルへとマシンを落とすと、なんとかコース復帰を果たした彼のクプラTCRもパンクに見舞われ、そのままピットへ。
残り2周となったところで2番手を走行中だったブリンク・モータスポーツの一角、オーソンのアウディRS3 LMSはタイヤの消耗が激しくペースダウンを喫すると、ダールグレン、エクブロム、ウェルナーソン、そしてクリストファーソンが相次いで先行し、6番手にまでドロップ。同じ症状が首位を行くブリンクにも現れるかが焦点となったが、彼のRS3 LMSはペースダウンを喫する前に12周のラップを乗り切り薄氷のトップチェッカー。
このブリンクの勝利で、アウディにとってはTCR規定のSTCC初優勝を記録するばかりでなく、STCCの歴史においては2007年にテッド・ビョークが記録したA4以来、11年ぶりの優勝となり、週末を通じて伏兵ともいうべきドライバーたちが活躍を演じて見せた。
一方、このレース2で2位表彰台を獲得したダールグレンが、チームメイトのハグロフを抜いて12ポイント差でシリーズランキング首位に浮上。次戦第3戦ファルケンベルグは、3週間後の7月7~8日の週末に開催される。



