続けて開催されたレース2は、勝者サットンがふたたびポールからの発進となるも、スタートでそのFRレヴォーグの前に出たのは、3番グリッドから抜群のダッシュを決めたトヨタ・アヴェンシスで、イングラムはそのままオープニングラップのコントロールラインをトップで通過していく。
しかし、ラップ2のヘアピンでわずかに“ドアが開いた”瞬間を見逃さなかったサットンは、そのままインに飛び込むと、トヨタの快速FFマシンをオーバーテイク。早々にレースリーダーの座を取り戻してみせる。
その後も、このレースでは標準のソフトタイヤを装着したサットンのレヴォーグGTは力強いラップタイムで後続を引き離しにかかり、一方のイングラムがWSRコリン・ターキントン(BMW125i Mスポーツ)からの攻撃に対し防戦に徹する展開となったことにも助けられ、15周で4秒のマージンを築いて悠々クルージングのトップチェッカー。
2位イングラム、3位ターキントンに続き、4位にはこの9レースで6度目となるモーターベース・パフォーマンスのサム・トルドフ(フォード・フォーカスRS)が入った。
「まず言わなくてはならないのは、この週末のスバル・レヴォーグGTは本当に素晴らしいマシンだったということだね」と、現役チャンピオンのサットン。
「エイドリアン・フラックス・スバル・レーシング、チームBMRのメンバーはとてつもない仕事をこなしてくれた。トム(イングラム)が“昼寝”をしていた瞬間だったかは分からないけど、そのときも彼は僕に対してハードにドアを閉じるような無謀なことはしなかった」
「その後、ギャップを築こうとハードにプッシュしたけど、これまでのマシンとは見違えるスピードを見せることができた。選手権では現時点で昨年よりはるかに後方(ランク8位)だけど、王座防衛を諦めたりはしない。この連勝でトンネルの向こうに少し光が見えた感じだよ」
一方、サットンとともにフロントロウからスタートしたプラトは、その際にジャンプスタートを取られ、さらにドライブスルー消化後の中団でもバトル中のムーブでペナルティを受け14位に終わっている。
続く最終のレース3は、前戦のオールトンパーク戦からBTCノーリンに加入し、FK2型のホンダ・シビック・タイプR NGTC仕様をドライブするダン・ロイドが、レース2の9位でリバースグリッドの優位を活用して勝利。現TCR UKのポイントリーダーは、ホールショットを奪うと一度も首位を譲ることなく6秒の大差で逃げ切り、このBTCCでも速さを証明した。
次戦、BTCC第6戦はイギリス東部、ロータスが本拠を構えるノリッチ近郊に位置するスネッタートンを舞台に、約1カ月後の7月27~29日に開催される。



