23〜24周目には、今シーズン限りで見納めとなるレース中のマシン乗り換えのために各ドライバーが続々とピットイン。しかし、ここでトップ4の順位は入れ替わらず、ベルニュ、ディ・グラッシ、アプト、ブエミのままレースは後半戦を迎える。
レース残り10周を切ってきたタイミングで、2番手ディ・グラッシがトップを走るベルニュにじわじわと接近。35周目に2台はテール・トゥー・ノーズのバトルへと発展した。

しかし、ストレートスピードでアドバンテージがあるベルニュはディ・グラッシの猛攻を防ぎきってトップチェッカー。新チャンピオンが王者の貫禄をみせつけた。
チームメイトのロッテラーはレース残り2周でステファン・サラザン(MS&ADアンドレッティ)を交わして10番手に浮上すると、その翌周にはサム・バード(マヒンドラ・レーシング)を交わして9番手にポジションを上げる。
この時点で、2〜3位にディ・グラッシ、アプトを送り込んだアウディスポーツとテチーターはポイントランキングで同点となるが、レース中の暫定ファステストラップを記録しているアプトにはボーナスポイントが加えられるため、アウディスポーツが2ポイント差で逆転戴冠を果たす計算だ。そのため、勝負の行方は最終ラップでロッテラーがファステストを塗り替えられるかにかかった。

集団のなかでの走行を強いられたロッテラーはレース残り2周の時点でファステストからコンマ2秒遅れのタイムを刻んだものの、これが精一杯。最終ラップでのファステスト更新はならず、アウディスポーツが逆転でのチームチャンピオン獲得を成し遂げた。
レース後、チームの指揮を執るアラン・マクニッシュは「昨日(の第11戦で)、ワン・ツーフィニッシュを飾るまで、我々がチームチャンピオンになれるとは思いもしなかった。信じられない結果だよ」と喜びを語った。
第4シーズンにあたる2017/18年のフォーミュラEはこれで閉幕。シリーズ初年度から使用されてきた共通シャシー、SRT_01Eでのバトルも見納めとなった。
攻撃的なスタイリングが特徴の第2世代マシン、通称“Gen2”が登場し、新たにニッサンもワークス参戦を開始する第5シーズンは12月15日、サウジアラビアで開幕を迎える。